好きこそ物の上手なれという副題がついた「著者に聞く」という記事をご存じだろうか?
この記事には、トレードの訓練を理解するうえで重要になるポイントが数多く含まれている。
記事はこちらにあるが、200万部超のベストセラーを連発しているノンフィクション・ライター、マルコム・グラッドウェル氏の最新作「What the Dog Saw」インタビュー。
ではその記事のポイントを集約し考察してみよう。
著者は「失敗から学ぶには、条件がある」ということを強調されている。
成功を考えるのに最も興味深い方法は、失敗を通して考えること。
成功から学ぶことよりも失敗から学ぶことの方が多く、成功した人は、みな大きな失敗を経験して、最後に成功しているのだ。
だが一般的には、人は失敗から教訓を得られないことがほとんどなのだ。
その結果として何回も失敗することになる。
なぜなら失敗の種類によっては、人に何も教えないためだ。
失敗から学ぶには、考え方に弾力性があり、失敗からの立ち直りが早く、謙虚でなければならない。
また失敗について分析する力も必要になる。
だが現実に、この3つを備えている人は非常に稀なのだ。
そのため、失敗から学べる人あるいは組織というのは、かなり稀な存在となるわけだ。
1万時間練習すれば、どんな分野でもプロになることができる。
この1万時間は、方向性を持った、分析を伴う1万時間だ。
外に出て、ゴルフボールを打つだけでは上達しない。
弱点を練習する、練習方法を分析する、など常に長所と弱点に集中する1万時間が必要になるのだ。
さらには「集中して1万時間練習する必要がある」と知ることと、実際に実行することは別なのだ。
1万時間の核心は、それが非常に長いことだ。
そのため1万時間の練習を積むためには、普通10年間はかかるだろう。
成功した人は、そういう努力を無意識のうちにやるのだろうか?
思い起こすと、1万時間経過している、という具合に。
成功するには、ひらめきが優れていたと言われるアインシュタインになる必要はない。
自分がやっていることが大好きだから、それにかける時間の多寡はどうでもいいという姿勢が、継続する努力へと繋がるのだ。
自分の仕事が大好きだということが、最も重要なことなのだ。
好きであればこそ、一生懸命に仕事をするようになる。
そして、一生懸命に仕事をすれば、成功する可能性が増すことになる。
成功というのは、努力と報酬と自律の点から見て、意味のある仕事をしたときのことを指すのではないだろうか。
成功者のほとんどの人は、幸運にも恵まれる。
幸運があれば、成功への道は近くなるのだ。
いかがだろうか?
これはトレードを成功させるための考え方に非常によく似ている、と言えるのではではないだろうか。
トレーディングの世界では、成功したかどうかは、数字としての結果ですぐに知ることができる。
そのため、訓練方法の軌道修正が、ほかの仕事よりも、うんとやりやすい、という大きな利点がある。
軌道修正が容易で、それがうなく機能すれば、当然立ち直りも早くなるわけだ。
そのためには、結果を謙虚に受け止め、正しい訓練方法を続けることだ。
エグゼキューショナートレーニングでは、スイングトレードと違い、1時間にローソク足を30回チェックすることになる。
スイングトレードでは数日で1回チェックするわけだから、桁違いの判断回数を短時間でこなさなければならない。
それも3銘柄を同時ホールドしての話だから、合計では90回チェックしなくてはならないのだ。
そのため、非常に高い集中力が必要になる。
どう少なく見積もっても普通の仕事の10倍以上の集中力が必要になるといっていいだろう。
エグゼキューショナートレーニングでは、どれほどの期間、正しい訓練を続ければモノになるのかは、まだわからない。
なぜなら、正しい訓練方法を指示通りできる人が、あまりにも少ないということがわかるまでに、かなりの時間を費やしてしまったからだ。
訓練に参加される方の中には、会社を退職され、昨今の情勢のため、もう後がない状態という方が増えてきている。
だが、背水の陣としての、いわゆるハングリーさは、訓練へより真剣に取り組むための大きな武器とにもなるわけだ。
幸いにも一年にも及ぶ取組みから、ある究極の成功するための方法を考え付いたのだが、これは最後の手段として使う予定。
今回新たに二人の方が、この試みにチャレンジされている。
もちろん最後の手段は使わずにだ。
まだ2週間ほどしか経過していないのだが、はたしてどれくらいの期間で、成功と呼べる段階へ辿り着けるだろうか?
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