マーケットでの経験の少ない人に限ってFXや先物をトレードしたいと考えるようで、メールや電話で問い合わせが結構ああります。
特に円高になると FX が注目を浴びるようなのですが・・
FXをやりたいという理由のほとんどは次に集約されます。
資金が少なくてもレバレッジの大きなFXなら大きく儲ける可能性が高くなる。
手数料がタダのところが多いから手数料分が有利。
本当でしょうか?
私のサイトでは、何故FXや先物トレードを積極的に勧めないのか?
今日はその理由を説明しておきます。
初心者ということは、本業があるわけですから、仕事が終わってからの日本での夜間トレードをすることになります。
株式トレードなら、何千という銘柄から選択した数十銘柄を対象としますから、必ずいくつかの銘柄がオープニング直後から大きく動きます。
私の考えた方法で、スキャンソフトを使って機械的にその銘柄を見つけることができます。
そのため1時間で、十分な利益を出して終わることができます。
ですがFXは、一銘柄だけをトレードするようなものですから、いつ動くかわからないわけで、動くまで待たなければなりません。
つまり時間が読めないのです。
ということは長時間にわたって高いレベルの緊張感を維持しながら、いつ動くかわからない銘柄をじっと待ち続けなければなりません。
ですが昼間の仕事のあと疲れ切った状態で、はたしてどれだけの人が、こうしたことができるでしょうか?
それに株式は個別銘柄の動きを、先物などの動きをレーダーとして使いながら、予測することができます。
ですが、FXや先物は、そのもの自体がレーダーなわけですから、レーダーなしで夜間飛行をするようなもので、非常に危険です。
さらに株式のトレードでは複数銘柄を同時保有することで、動かない銘柄は見捨て、動く銘柄に乗り換えるということができるのですが、FXでは資金を「複数銘柄」へ分散させ、リスクを下げることができません。
これは大きなデメリットとなります。
マーケットは時に気まぐれでルール通りに動かないことはよくあるため、確率の高い手法であっても動かなければ手仕舞いすることで、損失を出すリスクを排除することができるのです。
FXであっても、大きなトレンドが形成されていないと、動くであろう方向の予測ができませんから、そうした場合は、トレードができないわけです。
トレンドが無いところでトレードをするというのは、ハイリスクなギャンブルと同じ事なのです。
少ないレバレッジでバランスよくトレードができる方法を見つけたとしても、FXは株式と比べるとトレードができるトレンドが形成されにくいのです。
実際の例を挙げておきます。
下はドル円の15分チャートです。
11月19日にはギャップダウンで始まっていますが -0.236を切らないので、ショートはできません。
そもそも 0.236 のフィボナッチラインをこのように抜けないと、トレードのチャンスそのものがないわけです。
2日間ノートレードで我慢しなければなりません。
最近唯一ロングサイドへ動いたのはこの日一日、11月12日だけ。
こういうチャンスが、1週間でどれだけあるでしょうか?
こうしたことをしっかりと調べると、FXでは、トレードのチャンスが如何に少ないかがおわかりになるはずです。
FXではスプレッドが小さいことを売りにしている業者を使ったとしても、マーケットが大きく動く時にはスプレッドが急激に開くため株に比べて不利になります。
株式は動きが良くなるときにスプレッドが急激に大きくなってトレードに影響するということは起こりません。
スプレッドの大きな銘柄はあらかじめわかっていますから、そういう銘柄を避ければいいわけです。
それにFXでは相場を動かす要因が海外で起こるため、ドル・円の場合などは、アメリカで何か大きな事件や経済指標の発表があると大きく動くわけです。
アメリカの経済ニュースをリアルタイムで見ることができるアメリカのディーラーに比べ、日本でFXをトレードしなければならない貴方は、こうした面でも圧倒的に不利な状態で、トレードをしなければならないのです。
何百倍ものレバレッジが掛けられるFXでは、ストップと枚数とのバランスを考え、確実に実行できなければ、こうしたニュースで大きなブレが生じるため、ワンミスで即資金をすべて失うことになりかねないのです。
万が一儲かった場合ですが(笑)、株式はどれほど儲けても源泉分離で10%だけの税金ですが、FXは総合課税になるため税務申告が必要で、この点でも圧倒的に不利です。
こうしたすべての面で株式より遙かに難しい条件でトレードをしなければならないFXに、初心者は手出しするべきではない。
これが私の持論です。