年金は「年金積立金管理運用独立行政法人」によって運用されている。
今月発表のデータを見ると2008年の運用結果はマイナス9兆6670億円!
前年に続き2年連続の大損!
原資となる積立金(年金)は約140兆円。
2006年までの累計で16兆円もあった年金は、運用の失敗で2008年度には6755億円まで減少。
過去数の収益が、2年間で消えてなくなってしまったわけだ。
運用側の言い分は?
「世界的な金融危機の影響だが、年金の給付額にすぐ影響が出るわけではない」
「我々の仕事はあくまで運用、額ではなく収益率で見ると6年間で運用益は平均1%を確保している。経済が回復すれば、期待できる」
つまり景気頼みなわけだ。
2004年に小泉首相は「100年安心プラン」で年利3.2%(今年から4.1%)で運用すると公言。
だが今年4月の厚労省による試算では、年金納付率が65%という今の水準が続くとしても、将来受け取れることができる額は、現役の世代収入の半分にも満たないのだ。
というわけで、「100年安心プラン」はたった5年で崩壊。
では対策はあるのか?
厚労省によると保険料を引き上げるか、給付額を減らすかしかないという。
何故こうなったのか?
もともと2004年の試算は「5割給付」のため、数字を組み合わせただけのもの。
前提は経済成長率が毎年1%以上で賃金上昇率は毎年2.1%で、運用利回りは4.1%という「あり得ない数字」を組み合わせている。
実際の経済はマイナス成長で賃金は右下がり、運用利回りは1%ほどなのだから、この調子でいけば積立金はあと22年で底を尽くわけだ。
どうなるのか?
「勝ち逃げ」ができるのは、ギリギリ今の50歳代まで。
年金に頼ることはできないのだから、消費は控えて老後の資金を貯めるしかないわけだが、こうした消費不振は、さらに経済を停滞させることになる。
さてあなたは、老後も収入を生む手段をお持ちだろうか?