先週終了した基礎トレードセミナーとライブトレードセミナーへ参加された方からメールをいただきました。
昨日までのセミナーでは大変お世話になりました。特に最終日では私一人に先生の貴重な時間を割いていただきありがとうございました。先生と一対一で長時間お話できたことはてとてもラッキーでした。今後は先生に書いていただいた標語を守り努力していきたいと思っております。これからもご指導よろしくお願い申し上げます。
この方は大阪の役所にお勤めで、2006の9月の米国株ライブトレードセミナーへ参加されていますから、丸2年の経験をお持ちです。
隣で拝見したところ、慎重で手堅いトレードスタイルで、毎日大体500ドル台を稼ぐことができるチカラをお持ちのようなのです。
ただそのあと余計なトレードをして、200ドル台になってしまうというパターンからの脱却が課題のように見受けられました。
トレードでは、この方に限らず、コンスタントに勝てるようになってくると「これだけ獲れたのだから・・」と、ついトレードの回数が増えてしまいがちです。
これは誰もが通ることになる心理的なプロセスだと言っていいでしょう。
私も未だに魔が差して、時々そういう欲求を抑えられなくなることがあります。
「欲」というのはこのように厄介なものなのですが、同時に努力をするための原動力にもなります。
ですから、それを封じ込めるのではなく、別の考え方で別方向へ誘導する、などというちょっとした工夫をすればいいわけです。
この方は現時点でも非常に利益率が高いトレードをされています。
ですから、冷静に考えれば無理をしてより大きなゲインを狙う必要は全くないのです。
もっと勝ちたいという「欲」が出てきたとき、こうした点を強く意識することで、オーバートレードの傾向に歯止めを掛けることができるかどうかです。
一般的なビジネスモデルの場合の例としてパナソニックの2008年度上期(4月1日~9月30日)の連結決算を見てみましょう。
売り上げ高は4兆3,437億円で、営業利益は2,282億円、税引前利益では2,033億円になります。
この時期の純利益は1,285億円と過去最高の数字を記録したわけですが、それでも当期純利益は6ヶ月間で、売り上げの2.96%にしかなりません。
トレードの場合、10%の税金や、経費を差し引いても純利益率は、こうした数字とは一線を画するレベルにあるのです。
しかも2万5千ドルの資金で毎日200ドルを稼ぐとすると一ヶ月4000ドルとなり、6ヶ月では、2万4千ドル。つまり半年で資金は倍近くになるのです。
もちろん、いわゆる物品を製造あるいは販売で得られる「間接的」な利益の上げ方というのは、トレードのダイレクトな売買差額で稼ぐという仕組みと全く違うため、利益率を直接比較することはできません。
ですが、トレードではダイレクトな売買差額で稼げるため、人件費などのコストが不要になります。
つまりトレードでのロスは、人件費を同じように「経費」と考えることができます。
反面トレードだと、損失を生むリスクがかなり高いと思われるかもしれません。
製造業の場合、いわゆる会社としての貯金があるため、半年くらいは赤字でも埋め合わせることはできます。
ですが赤字が続き、余剰資金を使い果たせば、倒産ということになってしまいます。
トレードも資金がなくなれば「倒産」せざるをえなくなるわけですが、倒産に至るまで、あとどれくらい頑張れるのか?という点については、数字で常に意識せざるをえないため、「倒産」を防ぐことはそう難しい事ではありません。
トレードの場合、自分の7割から8割くらいのチカラで稼ぐことができるラインを見極め、それをどれくらい継続させることができるのかを、まずしっかりと把握することです。
それさえできれば、後はポジションサイズを増やすだけで、売上げは向上させることができます。
このようにトレードでは、他のビジネスとは全く違う「増収」の道が開かれています。
ただ余りにも、トレードの形態が「一般的な仕事」と違うため、その特性を認識し、正しい取り組みの方向性を見極めるのが難しいだけなのです。
今回メールをいただいた方は、こうした部分を改善することで、大きくパフォーマンスを伸ばすことができるレベルまで到達されていました。
このようなレベルまで到達されている方の場合、セミナーを通したアドバイスとしての処方箋だけで、見違えるようにパフォーマンスを改善できるのです。
こうした考え方で自分自身を洗脳し、一定の歯止めを掛けるには、訓練と「きっかけ」が必要になります。
予想外に利益を減らしたり、ロスを出した時こそが、その絶好の「きっかけ」なのではないでしょうか?