昨日の日記で ワークステーション」って何ですか?普通のキーボードとは何が違うのでしょうか? というご質問が・・
一般的には「ミュージック・ワークステーション」と呼ばれるもので、普通のキーボードとの違いは、複数の機器を統合した機能を持っているという点でしょうか。
入力装置としてのキーボード(鍵盤)以外に、シンセサイザーの場合は、音源、エフェクター、シーケンサーを含んでいる、いわゆるオールインワン・タイプの楽器のことです。
MM6の場合は、多彩なエフェクト、自動伴奏、録音や編集など、この値段にしては豊富な機能が付加されているというのが特徴です。
こういうワークステーションの、ハイグレードないわゆる値段の高いモデルは大体において操作が難しいうえ、案外重く、結局はほとんどの機能を使わないまま、使わなくなってしまいがちです。
ですが、こうしたキーボードは、音楽を練習するときには、一台あると何かと便利です。
ジャズ系の音楽でのハイライトは、カッコいいアドリブにあるわけですが、これが自由自在に演奏できるというのは、ひとつの究極の目的になることが多いのではないでしょうか。
そうしたとき、手始めとして、お気に入りのプレイヤーの気に入ったアドリブ演奏部分を、まずコピーする必要があります。
というか、アドリブというのはうまいプレーヤーのフレーズをコピーしなければ、上達しないものなのです。
ジャズは他人の物まねをし、反復練習することで、だんだんと力をつけてゆくのですがそのためには、真似をしたいフレーズを正確に採譜することから始めることなります。
ですが、そういうフレーズは大体が早いフレーズが多いので、ゆっくりとテンポを落として再生できるソフトが必要になります。
私の場合は、「スケール練習」で、お気に入りのフレーズが弾けるように練習をするわけです。
スケール練習
楽譜作成やシーケンスソフトなどの操作にかまけていたため、WX5の練習がおろそかになっていたので、ここ数日はちょっとまじめに、スケールの練習。
といっても単純なフレーズだけど。
サックスやフルートの場合はシ・ド・レの指使いがクロスする指使いのため、四分音符で120くらいのテンポで、16部音符のフレーズで ソラシド・ラシドレ・シドレミ・ドレミファ、というフレーズを吹くのは結構難しいの
もちろんいきなりは、無理なので、Live 5 でバックのコードをループで循環させ、そのリズムにあわせてテンポ80くらいからゆっくりと練習するわけだ。
最終的には楽譜のようなフレーズを吹くのだが、難しいのがソラシド・ラシドレ・シドレミ・ドレミファ、という黄色い色のついている部分。
ここができれば、その前のフレーズから黄色い部分を通過するように練習して、最後は、この楽譜どおりにできるまで練習するわけだが、練習をしているとあっという間に1時間が過ぎてゆく。
で、そのテンポでできるようになったら、85のテンポに上げるのだが、数字で言えば80から85というのは5つ分早くなっただけだが、実際に演奏してみると、かなり難しくなって指がもつれてしまう。
で午前中にテンポ85まで上げたら肩から腕が凝ったので、午後からはマッサージを予約して、60分コースの極楽タイム。
セミナーの疲れもあったためだろうか、かなりガチガチだったが、フニフニになったところで、また少し練習。
SONY F1 のヘッドホンはこうした際には、軽く掛け心地がいいためこういう練習にはピッタリだ。
テンポ120までの道のりは遠いが、まあ何ヶ月もかければできるようになるだろう、というかなり気の長い話だけどね。
といってもある程度できるようになれば、あとは結構早く吹ける様になることもあるので、それを期待して練習するわけだ。
というわけで、何も考えずに一心不乱に指の練習をするというのは、気分転換にはかなり効果がある。
少しできるようになると、なんとなくいい気分になれるし、まあ完全に吹けるようにならなくても、一生懸命に練習したという充実感が心地よい。
言ってみれば、自己満足の世界だけどね。(笑)
こうしたケースでは、キーを自由に移調できる機能が欲しいわけで、そうなるとやはり「ミュージック・ワークステーション」がいいということになります。
そして、フレーズが判明したら、それを繰り返し練習する事で、自分の手癖なども加わり、自分なりのフレーズとして使えるようになるというわけですが、そこまでの道のりはかなりの忍耐と努力が必要になります。
というのは、アドリブといってもフレーズを完全な即興で演奏するわけではなく、たとえばDm7というコードなら、それに合うフレーズをいくつか練習しておき、自分の「フレーズの引き出し」に用意しておくわけです。
そして前後のフレーズに合わせ、体が覚えている引き出しから、あらかじめ練習して「モノ」にしてあるフレーズを引っ張り出すわけですが、そうしたフレーズとフレーズの繋ぎの部分はアドリブで、繋ぐことが多いのです。
このいわゆる引き出しにしまってある、フレーズの数がたくさんあればあるほど、バラエティー豊かなアドリブが可能になるのですが、その数が少ないと、いつも同じフレーズが出てくる変わり映えのしない演奏になってしまいます。
カッコいいアドリブのフレーズを、まさに即興で演奏しているかのように、瞬時に繋ぎの部分を工夫してスムースにフレーズを作りあげるというのは、実は底知れない練習が不可欠となるわけです。
ある程度アドリブができる方なら、この間の日記で紹介した、MM6のデモ演奏をしているプレイヤーは、かなりの腕だということが、よくおわかりになると思います。
プロで演奏している世界でも一流と呼ばれているトップクラスの人のアドリブは、オリジナリティーがあって、しかもカッコいいフレーズという条件を満たしています。
そのため、アマチュアバンドでは、知っているバンドの好きな曲をそのまんまソックリに再現して楽しむという目的で練習するということも多いのですが、だんだんと腕を上げてゆくにつれて、ジャズのアドリブを目指すようになってゆきます。
自由にアドリブを演奏できるようになるというのは、コードやフレーズのことをよく知らないとできないため、アマチュアにとってはかなり難しいことなのですが、それだけにチャレンジのしがいがあるというわけです。
カッコいいアドリブフレーズというのは、音の配列に特徴があるため、まんま演奏すると、その人のフレーズを演奏していることが「バレてしまう」わけです。
そのためちょっと変えることになるわけですが、そのちょっと変えたことによって、フレーズの魅力がなくなることもあるので、そこがまた難しいところでもあるわけです。
ですからアドリブをよく知って研究している人が、あるプレイヤーのアドリブを聞いて、アドリブがチャーリーパーカーのフレーズっぽいと、この人はこういうプレイヤーが好きなんだなあなどいうことが分かったりするわけです。
このように、アドリブで自由自在にフレーズを繰り出せるようになるというのは、プロだけではなく、アマチュアであってもジャズ好きな方にとっての最終目標になることが多いのです。
ですが、常日頃からしっかり練習をしていないと正直なもので、肝心なときに指がもつれてしまい、疾走感のあるカッコいいはずのアドリブが、ボロボロになってしまいます。
>ちなみに なんという曲を弾かれているのですか?
というご質問をいただきましたが、1-6-2-5という基本的なコードシークエンスを使ってアドリブの練習をしただけで、曲ではありません。
アドリブの練習では鍵盤の全音域を使ったり、使いたい音域へ自由に移動できるような練習など、様々なパターンの訓練が必要になります。
どんなに難しいフレーズであっても、コツコツと練習を積み重ねれば、少しずつでもできるようになってゆくものです。
難しければ難しいほど、うまく弾けたときの達成感というか満足感は高くなるものです。
その「至福の泥沼」に足を突っ込むことができるかどうかは、ひとえにこうした達成感を体験することができるだけの練習量をこなせるかどうかに、かかっているのですけどね。