Dear フランキー

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家族の幸せは偽りから始まるのか?と映画を見た人しかわらからないイントロで始めたが、今日は2004年のイギリス映画「Dear フランキー」をご紹介。

地味な作品だが、イギリス映画らしい味のある、そして情報を最小限にして観客へ想像する余地を残しているという映画らしくない?数少ない映画だ。

 

リジー(エミリー・モーティマー)は、母親と難聴の一人息子と3人で転々とする生活。軟調の息子フランキーの唯一の楽しみは船旅に出ている父親と手紙でやりとりをすることだが、実はその手紙は父になりすました母親が書き続けたもの。

引越し先のグラスゴーで彼女がウソで書いた父の乗る船が実際に街に寄港する事になり、彼女は素性の判らない男(ジェラルド・バトラー)に1日だけ父親の役を頼むと言う展開だ。

不在の父の代わりを演じ続けた母、そしてその母の代わりにさらに父を演じる男が現れ、みんなで辻褄あわせをしてフランキーに本当のことを教えないというというところからど のようにオチをつけるのか?

ネタバレになるので書きませんので、是非DVDを買って見てください。(笑)

 

では終わってしまうので、少し核心部分について書くと・・

フランキーの愛は実は母の想像以上に深かったと言うオチが、観る者の涙を誘うのだが、父親役の男が「君は彼を守っている」と 母親に告げるシーンがある。

だが実は「フランキーが母を手紙を書くことで支えていた」といういわば二重構造が、感動をより深くそして効果的にしているのだ。

ってネタバレし過ぎ?(笑)

  

DearFrankieB.jpg

   

フランキーが父親に始めて会う時の反応がちょっとヘンで不自然な喜び方に見えるのは、フランキーがあの手紙が母親が書いているのを知ってしまった からなのか?

母親が彼を喜ばせたいからこそ、ウソの父親を連れてきたのに対し、リジーが傷つかないようにあんな振る舞いをしていたのだろうか?

父親が必要なのはフランキーよりも彼女の方だっということを、最初逢ったときに見抜いていただろうか?

などという深読みを楽しめる映画なので、何度見ても飽きないのだ。

また悪いヤツがムリヤリ出てこないので、安心して映画に浸ることができるという、この手の映画としてのお約束も、きっちりと守られている。

  

  
ジェラルド・バトラーは「オペラ座の怪人」で見事な存在感を示したが、この映画ではクールな役柄を演じている。

皮のジャケットが、とてもよく似合っているし、役柄の雰囲気を出しているから、男ならああいったジャケットが欲しくなるはず。

リジー役のエミリー・モーティマーは馴染みのない女優だが、さまざまな心情を持つシングルマザーの演技が見事。

しかしこうした映画を見ると、日本の映画は表層的なレベルでのお涙頂戴映画はあっても、いろんな意味でここまでの深い映画がないことに、ちょっとガックリするけどね。(笑)

  

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