Hi-Lo Band ハイローバンド
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2006 0214 Tues.
アマチュアバンド考
バンドの楽しさというのはなんだろうか?
それはアマチュアバンドであれ、プロのバンドであれ、まずは「相手に合わせる楽しさ」ではないだろうか。
そしてその楽しさは、大きく2つのジャンルに分けられる。
まず一つのジャンルは、オリジナルな曲で自分たちのメッセージを歌に託すというもので、ロックンロールはまさにこれを代表するジャンルだといっていいだろう。
だから、ロックの有名な曲をそのまんまコピーして演奏するというのは「そっくりに演奏できる」という自己満足は満たすことができても、本来の持つロックのスピリッツからは大きくかけ離れてしまうことになる。
もう一つのジャンルは、歌ではなく、ピアノやギター、それに管楽器などのいわゆるインスツルメントでのバンドという形態だ。
こうしたソロを取ることができる楽器では、オリジナルと同じように演奏をすることというのは、練習さえすればできるようになるものだ。
だが一旦できるようになってしまうと、ライブで毎回同じ演奏をすることになり、ライブが本来持っている意外性やスリリングでエキサイディングさ、という面での面白さは失われてしまう。
そのため、ある程度以上のレベルになると、アドリブを楽しむという方向へ向かうことになるというわけだ。
音楽はまずリズムがあり、そのリズムに合わせたハーモニーとメロディーが存在する。
そしてその土台となるのがリズムセクションで、具体的にはドラムとベースということになる。
ここさえしっかりしていれば、上に乗っかるハーモニーとメロディーを存分に楽しむことができるのだが、ここが不安定だと極端に言えば音楽そのものの土台がグラグラだということになり、音楽を楽しむどころではなくなってしまう。
プロとアマチュアのバンドの最も大きな違いは、このリズムセクションの「しっかり度」から生まれるものだという見方ができると思う。
つまり、ここさえしっかりしていれば、アマチュアバンドでも聴き栄えのするバンドになるというわけだ。
聴き手は、演奏するバンドがアマチュアであればプロであれ、基本的には「音楽を楽しみたい」という願望を持っている。
つまり耳だけは肥えているのだ。
自分たちが音を合わせるだけが楽しみのバンドなら、聴き手のことを気にする必要はなく、相手に合わせることが目的なのだから、リズムセクションが下手であろうと全く問題ないわけだ。
だが、モチベーションを持続させるという点と、目的を持つという点から、ある期限を切ってそれまでに人前で演奏できるように練習をするというのは、バンドを続けるための大きな原動力となる。
そのため、実際には人前で演奏をするということも目的にするケースがほとんどだ。
そのため、このリズムセクションをどうするのかということは、特に楽器だけの演奏を主体にしたバンドの場合、この点は非常に重要で大きな問題となるわけだ。
だが、しっかりした土台を築くことができるレベルでリズムを刻むことのできるアマチュアのプレーヤーを探すというのは、至難のワザだといっていいだろう。
そういうレベルの腕を持っている人は、第一その腕に見合うだけの相手と演奏したいと望むことが多く、また日本では多くの場合すでにプロとして演奏しているケースがほとんどだといっていいだろう。
それに下手なドラムほど、音が大きく煩くなる傾向があるため、多くの場合、音楽そのものを、大音量でぶち壊してしまうという、最悪のシナリオとなってしまうことが多いのだ。
そのため、アマチュアバンドの場合、どうしてもリズムマシンあるいは打ち込みでのリズムセクションに合わせるという形態になってしまうことが多い。
リズムマシンの欠点はグルーブ感が希薄になるという点だ。
その原因はリズムの速度があまりにも機械的に正確なため「ノってくるとリズムは早くなる」という自然さが失われるからだ。
そのため最近ではこうした点から、わざとリズムに「揺らぎ」を持たせることができる機能を持っているものが多くなってきている。
つまり人間のグルーブ感により近づけようというわけだ。
一方で、マシンの持つ正確なリズムを逆手に取る別のアプローチがある。
それはリズムの単調さを利用し、上に載るソロを取るときに、正確なリズムに対し、早めに突っ込んだり、「もたれ」させたり、ジャストのタイミングに戻ったりなどというように、フレーズのリズムを変化させて遊ぶということができるのだ。
アンサンブルではお互い相手に合わせて楽しみ、ソロになると、このようなリズムの揺れとアドリブのフレージングで楽しむというわけだ。
アマチュアバンドでも、このレベルの演奏ができるようになれば、かなり耳の肥えた聴衆も満足させることができるはずで、演奏する側もこれはこれで楽しいものだ。
このように、一口にバンドといってもいろいろな楽しみ方があるわけだが、さてあなたが演奏するとしたら、どのジャンルを選択するだろうか?
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