Christmas Songs 2002


2002年版クリスマスソング集




VOL.1

歌手・曲名リスト
 

01 Vanessa Williams - Baby, It's cold Outside
02 Baby Face - Rudolph The Nosed Reindeer
03 Larry Carlton - The Christmas Song
04 Celine Dion - Blue Christmas
05 Chicago - Good Rest Ye Merry Gentlemen
06 Aaron Neville - Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow
07 Gloria Estefan - Have Yourself A Merry Little Christmas
08 Kenny G - Sleigh Ride
09 Jon Bon Jovi - Please Come Home for Christmas
10 Luther Vandross - Have Yourself A Merry Christmas
11 Amy Grant - Have Yourself a Merry Christmas
12 Fourplay - Snowbound 
13 Yutaka Yokokura - This Christmas
14 Natalie Cole - The Christmasu Song
15 
Vanessa Williams - Angel We Have Heard On High 
16 Baby Face - It came upon a Midnight
17 Diana Krall - Have Yourself a merry Little Christmas
18 Lou Rawls - Merry Christmas Baby 
19 Spyro Gyra - I'll Home for Christmas



各曲の詳細



01 Vanessa Williams - Baby, It's cold Outside

バネッサ・ウイリアムス。

黒人だが確か元ミスアメリカだからとても美人。

デュエットで絡むのは、声ですぐにわかるボビー・コードウェル。

控え目な管のバッキングもよい。

間奏はハモンドだが、抑え目のフレーズで、しかも要所でレズリーを回すというなかなか渋いこともやっている。

ミディアムテンポだが、バックのギターをよく聴くと、なかなかの職人芸だ。

アレンジャーのRob Bathes の指定だろうけどね。

パーカッションも、隠し味として効いている。

Cold Outside のハモリで、ボビー・コードウェルのメロディーラインが降りてゆくのが、たまらなくお洒落だ。

Bobby : Oh It's Cold
Vanessa :  It's Cold out there.

Bobby : Can't you stay while long Baby
Vanessa :  Well....

最後の方で音楽をバックに、二人が話すのだが・・この続きがまたいい。

クリスマスのアルバムを一枚だけというのなら、迷わずこれをお勧め。

Vanessa Williams - Star Bright -  1996 /  Mercury 314 532 827 ・ 2 
 

 


02 Baby Face - Rudolph The Nosed Reindeer

プロデューサーとしてもかなりの力量を持つベビーフェイス。

この曲は日本ではたしか「赤鼻のトナカイ」とかいう邦題になるが、当然コード進行は普通では有馬温泉。(笑)

アレンジを勉強する人にはとてもいい教材になるだろう。

ドラムのスネアのタイトさとコーラスのやわらかさの対比というかバランスがとてもお洒落。

途中のブレイクのエレピのサウンドもナイス。

ドラムもリムショットを使い分けたりと、こういうアレンジのセンスが、「黒人らしくない」ベビーフェイスのよさだろう。

バッキングにはハモンドのサウンドを使っている。

ベビーフェイスのフレーズの「崩し方」を聞くと、只者ではないことがわかるはず。

だんだん盛り上がる「おかず」の入れ方や最後のサックスの絡みも、聞き所だ。

女性の方はシャンパンを飲みながら聴いてほしい。

立てなくなるはずだから・・
 


03 Larry Carlton - The Christmas Song 
 

いわゆるエレキ・ギターの演奏。

Four Play への参加で最近ますますよく耳にするラリー・カールトン。

メロディーラインを丁寧に演奏している。

もちろん、端々にはラリー節が散りばめられている。

ギターだけの演奏ってちょっと地味になってしまうのだが、途中の転調など、アレンジでこのあたりをうまくカバーしている。

このクリスマスアルバムは1989年のリリースだが、古さを全く感じさせない。

かえってキーボ−ドのDX7のサウンドが「らしく」てよろしい。

ベースは、Abraham Laboriel。

途中の 生ピアノソロは、Clare Fischer。

バックをこうしたベテランで固めているから、安心してクリスマスのムードを楽しむことができるだろう。

 

04 Celine Dion - Blue Christmas

いきなりクリスマスの雰囲気が濃厚に漂ってくるイントロだ。

しっとりとした、ミディアムスローのリズムに乗って、丁寧に歌い始めるのは歌姫セリーヌ・ディオン。

音を伸ばすところのノンビブラートとビブラートの使い分け、また高音の地声とウラ声の声の使い方などは、月並みな言い方になってしまうが、ほんとうまい。

生ピアノのバッキングも粋。

途中から厚すぎないストリングスが絡み、間奏へと導いてゆくのが、心地よい。

バックのコーラスが面白いフレーズを繰り返すのも、聴き所だ。

彼女の美しいヴィブラートとあいまって、夢見心地の世界へと導いてくれるから、やがてそういったことさえ忘れてしまう。

 

 

 


05 Chicago - Good Rest Ye Merry Gentlemen

クリスマスソングを、いきなりこう言う風に演奏されると、言葉を失う。

最初は、ちょっとスティング風?

ホーンが入ると、まさにシカゴ!

ハードな肌合いのコーラスがまたいい。

ディストーションのかかったギターソロとホーンの絡みや音色も、彼らの全盛時代を彷彿とさせるようなサウンドだ。

シカゴの文法そのままで、キャリアが持つ魅力と個性がストレートに胸に突き刺さってくるような演奏は、とてもエキサイティング。

普通こういういわゆるアクの強いグループはクリスマスソングでは大体失敗するのだがが、このアルバムは例外で、楽しい仕上がりとなっている。

古さを感じさせないアレンジの工夫が随所にちりばめられているというのも、その理由のひとつかもしれない。

 

06 Aaron Neville - Let It Snow, Let It Snow, Let It Snow

ミディアムアップテンポの4ビートにのり、ハモンドソロから始まり、アーロン独特の歌声から始まるこの曲もクリスマスには欠かせない曲 だ。

ベースのランニングと、ハモンドのバッキングによるジャズフレーバーたっぷりの濃いサックスソロは、Plas Johnson。

合いの手のハモンドだが、どこでどうやればいいのかがわかった演奏だな。

途中からオーケストラも加わり、一気に最後まで聞かせてくれる。 

彼はネビル・ブラザーズというグループのカナメだが、最後のハモンドソロの終わり方を聞くと、こういうクリスマスアルバムもいいなあと思う。

よく聞くとストリングスも入っているぞ。

 

07 Gloria Estefan - Have Yourself A Merry Little Christmas

Singers Unlimited のアカペラから始まるこの曲は、何とマイアミの歌姫グロリア・エステファンとの組み合わせだ。

この意表をつくような組み合わせが、この曲を独特なものにしている。

途中で転調してストリングスの間奏へ。

プロデューサーは Phil Ramone。

なるほど・・

コーラスのストレートさに、グロリアの少しクセのあるフレーズ回しが絡むというのは、意表を突いた効果といえるだろう。

初めて聴いたときは、その新鮮さに驚いたものだ。

途中までは何とバックの演奏なしのアカペラだが、間奏からは厚いオーケストラが入り、リッチで豪華なサウンドに変身する。

まさに映画音楽のようだ。

グロリアの「ひたむき」な歌い方がとてもかわいい。


 


08 Kenny G - Sleigh Ride

このメロディーを、このリズムに乗せるのはとても難しいだろう。

途中から、早い4ビートに乗って展開するソロの疾走感は、聴くものを興奮の坩堝へ誘い込んでゆく。

でもこれだけ、途中からアドリブでメロディーをバラバラにしても、その「かけら」のフレーズのメロディーは信じられないほど、ナチュラルで美しく、元のメロディーへのつなぎも違和感がない のはどうしたことか。

アドリブソロのリズムは少し後ノリで、決してリズムを喰わない。

このことからも、ジャズプレイヤーとしての彼の底知れぬ実力が窺い知れる。

サックスプレーヤーも、いろいろな人がクリスマスアルバムを出しているが、この人のが白眉だと思う。

個性が強いので好き嫌いはあるだろうけれど・・。

余談だが彼はシアトルの水辺のすばらしい家に住んでいる。
 


09 Jon Bon Jovi - Please Come Home for Christmas

いきなりアカペラから入るのはボン・ジョビ。

そう来るかね。

まさかここで登場するとはお釈迦様でもご存じなかったはず。

スローな3連の8ビートに乗って、ブルースフレーバー溢れる世界を展開してくれる。

バックのピアノの3連の刻みがまたいい。

この重いノリは、少し古めのロックやブルースが好きな人にはたまらないはずだ。

ドラムのシンプルなオカズでの盛り上げ方は、ホントたまらない。

ギターソロは Don Felder

ここでもバックに流れるハモンドのサウンドは欠かせない。

でもあっという間に終わってしまい、もうちょっと長くてもいいのに・・などと贅沢なことをいいたくなる。

 

10 Luther Vandross - Have Yourself A Merry Christmas

シンセのウィンドストリングスのサウンドに乗り、ソウルフルにグイグイ引っ張るのはルーサー・ヴァンドロス。

スローなリズムに乗って・・でもほんといい声だなあ・・ファルセットと地声のコンビネーションがセクシーだ。

アメリカの一流歌手は、うまいのは当り前で、その上に声が個性的。

聞いた瞬間に誰かわかるくらいの個性が声そのものにないと、一流として生き残れないという厳しい世界だ。

バックのピアノもツボを押さえたフレーズで、間奏のサックスソロは、ベテランの、Gerald Albright。

安心して酔いしれることができる。

黒っぽいファンキーさを出しながら、それでいて全体的にしっとりとしたクリスマスの味を出している。

ストリングスなど、随所のアレンジも秀逸。

アレンジは、一体誰だろうとクレジットを見ると、どれどれ。

クインシー・ジョーンズ。

失礼しました。

所々に入るシンセの音もほんといい。
 

 


11 Amy Grant - Have Yourself a Merry Christmas

エイミー・グラントは、その素朴で飾らない表現が魅力だ。

カントリー畑出身だが、この曲を聴いている限り、カントリー出身の歌手だということは全くわからない。

歌の丁寧さが、歌にとても説得力を与えている。

それでいて、さらっとした風合いで歌うのだけれど、長いキャリアと実力に裏打ちされているため、ダシがまたよく効いている。

このあたりが、カントリー畑だけではなく、誰からも好かれる理由だろう。

アタマから響くオーケストラのサウンドがまた甘美で、ラストは、アメリカの田舎の郊外の牧場に広がる澄み切った星空を想像するようなサウンドだ。

そして寒さで瞬く星空のように、余韻を残しながらで消えて行く・・

Beautiful !

 

 


12 Fourplay - Snowbound 

職人ドナルド・フェイゲンの名曲を、インスツルメントの職人たちが、素晴らしいサウンドに料理してくれている。

イントロを聞くと、ドナルド・フェイゲン独特のサウンドとフレーズだ。

途中の管楽器の使い方がドナルドフェイゲン独特だが、これを妙に変えたりせず、上手に生かしたアレンジがまた見事。

ラリーのギターもいい味を出している。

リー・リトナーもよかったけれど、ラリーのブルーノートの混ぜ方が絶妙。

それも、ディレイをかけた、少し歪ませたノートでね。

生ピアノではなく、わざわざと、いかにもエレピらしい音色で絡みつき、彼ならではのサウンドとフレーズを聞かせているのはボブ・ジェームス。

ハービーのドラムのスネアの音とタイミングが、実にいい。

ノリはもちろんのこと「タメる間合い」も絶妙。

スネアにかけてあるディレイが音に空間を作るなどの、凝った仕掛けが宝石のように散りばめられている。

バックのホーンセクションのカウンターフレーズも粋だ。

サウンドの「間」の作り方がとてもCOOL。
 


13 Yutaka Yokokura - This Christmas

このアーティストは日本人。

デイブ・グルーシンのGRPレーベルからリリースされている。

琴の音を生かしたすばらしいアレンジだ。

間奏も琴! だが素晴らしいのは、妙な異国情緒風にならずに、クリスマスの雰囲気をとてもよく出しているという点だ。

歌もちょっと投げやり風なんだけれど、ストレートというかバランスが絶妙で、日本人だとか何人だとかとか、そういうことを考えさせないサウンドは見事。

よく聴くと琴の音が結構入っているのだが、シンセとうまく溶け合って、あまり気にならない。

こういう手があるんだなあ。

この歌手、ほとんどの日本人は知らないだろう。

Very Special Christmas for Me... Will be と繰り返しながらフェードアウト。
 

 


14 Natalie Cole - The Christmas Song

ちょっとムーディーブルース風の、オーケストラサウンドから始まるがそれもそのはず、オーケストラはムーディーブルースの名曲「サテンの夜」と同じ、ロンドンフィルハーモニックオーケストラ 。

ナタリーのストレートな表現力に加え、途中で亡き父のナット・キング・コールのデュエットが加わるという見せ場(聴かせ場?)がある。

これは、父親の昔のテイクをもとにキーや、デュエットのタイミングを合わせたりしなければならないし、男女のキーの違いを考えたアレンジも必要だすから、この録音はかなり大変だった はず。

転調も忙しいのだが、気にならないアレンジはさすが。

かなり編成の大きなオーケストラだが、うるさくならずに仕立て上げられている。



15  Vanessa Williams - Angel We Have Heard On High 

イントロのピアノから「しっとり」始まる。

聞き惚れていたら、ドラムのオカズが左右に振られて、いきなり斬り込んでくるから要注意だ。

アップテンポに乗ったWill Leeの切れのいいベースに乗って、バネッサが生き生きと歌い上げ、エフェクトのかかったギターもバックで絡まれちゃあ、たまらんわなあ。

途中でスキャットと合わせたギターソロが登場するが、この部分のコーラスとしてのバッキングアレンジも新鮮。

途中で聴いたことのあるフレーズも登場。

こういうアレンジは創造力がないと不可能だな。

ドラムのスネアがカンカンという高めのチューニングも利いている。

日本人の演奏では残念ながらこういうノリは聴けない。

しかし、何というアレンジ・・絶句だ。

 

 

 


16 Baby Face - It came upon a Midnight

生ギターの伴奏でベビー・フェイスの特徴のある歌声が、脳裏に焼き付くように、染み込んでくるといえばいいだろうか・・とにかく彼のノドが非常に柔らかいことが、その歌の肌触りから感じとることができ る。

この人は黒人なのに、さらっとした肌合いの歌声で、とても知的な感触だ。

途中の転調でいきなり、リズムセクションが入ってくるが、この転調はないよなあ・・

その後もめまぐるしい転調で、聞く人を幻惑する。

眩暈がするような、その転調に翻弄されていると、女性的とさえいってもいい、ファルセットボイスの繊細な感触とあいまって、彼の歌が独特なものに仕立て上げられているから、クリスマスソングだということを忘れそうにな る。

 

 


17 Diana Krall - Have Yourself a merry Little Christmas

語りかけるように、ピアノの弾き語り始めるのはダイアナ・クラール。

しっとりとしたジャズフレーバーは、バックのアコースティックギターのサウンドからも伝わってくる。

クリスマスソングにお約束のストリングスも、甘く絡まり、辛口の彼女の歌にほどよいテイストを加えている。

少し地味だけれど、おちついたギターソロは心休まる音色で、あなたの気持ちを癒してくれるだろう。

 
 

18 Lou Rawls - Merry Christmas Baby 

ジャージーなビッグバンドのサウンドに続き、4ビートのピアノトリオでルー・ロウズが例の声 で Merry Christmas Baby ! 。

まさに、Stormy Monday という名アルバムの世界をクリスマスソングで展開してくれるのだから、彼のファンならたまらんはず。

こういうのを聴くと、ウッドベースっていいなあって思う。

ラッパがちょっと不揃いなところがまたいいぞ。

ギターソロは、まさにギブソンのフルアコサウンド。

最後まで、このジャンルの音楽の約束事をきちんと守りながら、この時代のサウンドを再現し、聴くものをタイムトリップさせてくれる。

 

19 Spyro Gyra - I'll Home for Christmas

この出だしのサックスのフレーズで、あのスパイロ・ジャイラだってことはすぐにわかる。

その後のビブラフォンやピアノのサウンドは例のスパイラサウンド。

うれしいぞ。

途中のブリッジもまさにあの世界。

スパイロジャイラ、個人的にはやはりこの路線で行ってくれないとなあ。

いつもあの世界を期待してアルバムを買うのだが、最近は大抵は肩すかしを喰らっている。まあいいか。(笑)

でもこの曲では、ちゃんと彼らのサウンドを堪能させてくれている。
 

Christmas Song VOL2


Christmas Songs 2002

 

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