COOLに過ごそう
Boxter
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2000年
Back Number 2001年02月
1230 Sat.
クルマと大きさ
スポーツカーで大事な要素として「敏捷さ」がある。
ドライビング中に、車を小さく感じるというのは、足回りやエンジンなどのバランスを含めて、イコール、フットワークが軽いということだ。
ミアータはもちろん小さく感じるし、実際の車体寸法もボクスターより小さい。
さらにどちらかというと、チョロチョロと走ることのできる、独特の軽さがまた魅力なのだが。
一方ボクスターは、車自体は同じように小さく感じるのだが、チョロチョロというのとはかなり違い、ビシッとした安定感が特徴だ。
実際のサイズはそれ程小さく見えないのだけれど、運転してみるとボクスターはとても小さく感じる。
その理由として、運転席から運転席側のフェンダーだけが見えるというのがまずあげられる。
ドライバーズシートへ普通に座っていると、左側のいわゆる「太もも」が見えるだけで、いわゆるボンネットにあたる部分が見えないため、随分クルマが小さく感じられる。
Zoom
以前乗っていた87年型の911カレラは、左右とも太ももがみえていたのだけれど、ボクスターは、運転席側だけが見える。
また、室内の適度なタイトさというのも、クルマを小さく感じさせ、スポーツカーにとって大事な「プライベートな雰囲気」をよく醸し出している。
後ろを振り向けば、ウィンドウがあるから、いわゆるキャビンの前後長も短い。
911からの伝統で前のAピラーが比較的立っているのも閉所感がない理由だろう。
それに、助手席との距離が近いというのも、スポーツカーの特徴だ。
多くのセダンは、室内寸法をどれだけ大きく取れるかに苦心しているのだけれど、こうした2人乗りのクルマの場合、キャビンをどのように演出するかによってその魅力が大きく変わってくる。
たとえばHONDA2000などは、こうした考えでデザインされていないから、まじめすぎて面白くないというか、いわゆる「華」が感じられない。
ポルシェの場合、助手席に座るのが女性であるケースが他のクルマより多いはずだ。
だから、乗った女性に対して何らかの「トキメキ感」を与えるデザインが大事で、こういうのはイタリア車は実にうまい。
どのポルシェも、室内からドアを開けるドアオープナーが、普通のセダンに比べてわかりにくい。
こうした「わかりにくさ」はセダンとしては、大きなマイナスポイントになるが、スポーツカーの場合は逆に、こうした難解さが時にはプラスに働くこともある。
ボクスターに始めて乗った女性は、ドアを開けるとき、ほとんどが戸惑うことになり、一瞬躊躇する。
そこでドライバーは、手助けをするために体をひねり、左手でドアオープナーへ手を伸ばす。
ここで注意しなくてはいけないのは、必ず左手を伸ばすこと。
右手ではない。
そうすると、ドライバーのあなたの頭は自動的に女性の首のあたりに位置することになる。
そこでイタリアの伊達男だと、さりげなくサヨナラのキスをするという行動に出るというわけだ。
しかし、このタイミングと雰囲気を間違うと、平手打ちを喰らうことになるので、ご注意を。
とにかく、こういうシチュエーションのことまで考えて設計されているのが、ポルシェのすごいところだ。 < ウソ
とにかく、いろいろな意味で助手席との距離が近いというのは、こうしたクルマでは非常に大事なポイントであります。
1228 Thurs.
空力とデザイン
冬場のシアトルは雨が多いという印象がある。
だけど雨量はそれほど多くはなく、降雨量そのものでは日本の方がはるかに多い。
けれど、曇りの日と雨の日が多いから、どうしても雨がよく降っているように思うだろう。
冬場は車を洗う間もないことが多く、どの車もよく汚れている。
だから、今回日本へ行ったとき、車がみんなやけにピカピカだなあと思ったくらいだ。
車の色が黒だとこの汚れ具合がよくわかるのだが、面白いことに車の後ろから見ると、この汚れ具合が普通の車と少し違う。
ミアータのときは、なんていうのかまんべんなく後ろが汚れるのだけれど、ボクスターでは下の写真のように、スポイラーのあたりから下だけが汚れて、ボディーの上の方はほとんど汚れないというかピカピカ。
写真では分かりやすくするために、色やコントラストを調整してあるが、このように、汚れと「そうでないところ」があるため、黒と灰色の「ツートンカラー」のように見える。
こういうことになる理由として考えられるのは、第一にスポイラーの効果だ。
スポイラーから上の部分には下向きの早い気流が発生するため、汚れがつかないのだろう。
写真ではわかりにくいが、スピードが確か80キロくらいになると、格納されているスポイラーが自動的に出てくるのだ。
ボディー側面も上半分は比較的きれいで、汚れがつかない傾向にあるようだ。
また大雨になるとよくわかるが、フロントガラスからの水の流れが、サイドウィンドウの上のほうへ集中して流れるくるようになっているため、ドライバーの視界のあたりは雨が付着しにくく、車の横方向への視界が結構いい。
ボディーのスタイリングの決定には、こうした空気の流れを風洞実験などでしっかりと把握して開発されたのではないだろうか。
毎日使ってみると、このような、普段は気が付かない、いわゆる隠れた美点が結構あって、こうした普通とはちょっと違う種類の魅力は、オーナーにとって、かなりインパクトがある。
車を開発する側が、ユーザーが想像するよりもはるかにいろいろなことを考えているのだなあということが、車を使っているうちにわかってくるというのは、なかなか憎い演出といえるだろう。
車好きの琴線に、こうしたやり方で触れ、さりげなく訴えてくるというのが、ポルシェの粋なところだ。
1226 Tues.
ブレーキ
ボクスターSの最大の美点の一つがブレーキだ。
ブレンボ製のブレーキは、最新の911と同じものが奢られている。
Zoom
ノーマルボクスターへ試乗したときに、Sとの違いを最も感じたのが、このブレーキのタッチと加速感だ。
今まで乗った車の中でも、最高のフィーリングだと断言できる。
まさに「真綿で首を締めるように」確実にスピードを殺してくれる。
普通のクルマは、強めのブレーキをかけると、大なり小なり、いわゆる「前へつんのめる」状態になる。
しかし、ボクスターSは全く違う。
ブレーキの剛性感が申し分ないのはもちろんのこと、まるで巨人の巨大な手で後ろから抱かれるように減速する。
助手席の同乗者はよほど注意をしていても、ドライバーがいつブレーキペダルを踏み始めたのかは全く分からないはずだ。
もちろん停止までの距離という数字からは、こうしたフィーリングの違いを感じとることはできない。
ブレーキペダルに足を乗せた瞬間から、減速は行われるが、その度合いはまさに足の力の入れ具合にリニアに反応する。
この効き具合と踏力との関係を図にすれば、多分その描くカーブはまさに絶妙なバランスを示すことだろう。
もちろん幅の広いタイアも、その何割かを受け持ち、その効き具合に貢献しているだろう。
250馬力以上のパワーへ直結したアクセルペダルを蹴っ飛ばすことができるのは、このブレーキが控えているからだ。
最近は雨の日が多く、先日たまたま、ABSが動作することがあった。
ABSの動作を伝える足へのキックバックは、断続的な不快なものではなく、一定で、コンピュータの計算速度が非常に早いことがわかる。
ベストモータリングというクルマのビデオでのバトルは、時々サーキットを長い周回で競うことがある。
フェラーリでさえブレーキ性能は、エンジンのパワーを下回っていることが多く、もちろん国産車をドライブするドライバーたちのほとんどが、過酷なペースで周回を重ねるに従い、ブレーキが効かなくなってくることを訴えることが多い。
しかしポルシェは、ブレーキに関しては常にパーフェクトだ。
ブレーキに関して、2名乗車で車重の軽いボクスターSは、911よりうんと有利な条件が揃っている。
信頼のできるストッピングパワーが備わっているからこそ、ドライバーは安心してクルマを走らせることができる。
ブレーキングを楽しめる車というのは、非常に少ないと思う。
ボクスターSの最大の魅力は?
と聞かれたら私は迷わず、「ブレーキ」と答えるだろう。
1212 Tues.
6速ギアボックス
6速のギアボックス付のクルマは、これが初めて。
バックは思い切り左へ倒した左上。
だから、走行中に間違って入れる恐れは全くない。
今まで5速で特に不便だとは思ったことは一度もなかったから、最初は6速も必要なのか? というのが素朴な疑問だったが、フリーウェイ以外では5速、6速は使わない。
ボクスターSのエンジンはフレキシブル、というか低速トルクが結構ある。
だから、2000回転も回っていれば、普通のクルマ並に加速することができる。
3000回転を過ぎてからの加速感は、初めて助手席に座った人なら、自然とカラダに力が入るほどで、運転する側では口元が思わず緩む。
2000回転というと、2速だと20マイル(32Km)、3速だと30マイル(48Km)。
一方上まで「回す」と、2速だと65マイル(104Km)、3速だと100マイル(160Km)まで伸びる。
4000を過ぎると悦楽の世界。
5000回転以上になると、あっという間に吹け上がるから、そのサウンドを楽しみながらも、シフトアップの用意をしなければならない。
だからフリーウェイ以外の普通の道だと、普通は3速までしか使わない。
特に2速は、20マイル(32Km)から65マイル(104Km)という市街地でよく使う速度域で、強力な加速とエンジンブレーキを使うことができる。
このような理由で市街地の速度域ではオートマチックのように、シフトをする必要はないのだけれど、そう年中「回して」走っているわけではないから、時々3速を使うことはある。
3速は市街地からフリーウェイへの進入に、まさにドンピシャのギアリングで、5000回転もまわせば、流れの速いフリーウェイへも余裕で進入することができる。
いつものI90への進入は少し上り坂だから、ミアータのときはフルスロットルで3速70マイルが限度だった。
ボクスターでは同じ3速だと100マイル近い速度になるので、フルスロットルを踏む必要はない。
進入には、本線の状態を見ながら、加速と減速の両方の選択肢が用意されている。
最大のマーケットである北米での使用パターンに照準をあわせたギアリングのようにも思える。
フリーウェイでは、4速の使用頻度が俄然多くなる。
フリーウェイの制限速度あたりから、郊外のフリーウェイの早いペースまでカバーする4速は、通常のクルマでは不可能だと思える追越が可能になるギア比に設定されている。
そしてゆったりと流すときは5速。
6速は音楽を楽しむためにエンジンの回転を落とすときに使用する。
シフトレバーの操作感についてだが、ストロークは決して少なくない。
このクルマの性格に合った「確実にギアを入れる」という表現がふさわしいシフトフィーリングだ。
ただこれだけトルクが厚く、また各ギアの守備範囲が広いと、ミアータのような頻繁なシフトが必要ないため、これくらい確実なシフト感のほうがいいのかもしれないと思わせる設定だ。
また、クラッチを踏むと「カチ」という、いわゆる電気のスイッチの入るような音がして、ちょっとデジタルな雰囲気がする。
まあ、あわててシフトしなくても、後で追いつくから、確実にシフトできた方がいいだろう・・とでもいうようなシフト感覚だといえばいいだろうか。
1208 Fri.
ドライビング・ポジション
普通、ドライビングポジションを意識して、運転席に座る人はあまりいないだろう。
私も、ポルシェ・ドライビング・スクールで、いわゆる正しいポジションを習うまでは、気にはしていなかったのだけれど、しかし気になり始めると、とても気になるものだ。
同じクルマばかり乗っていると、カラダが慣れてしまって、いわゆる「こんなもんじゃないの?」状態になるので意外と気がつかない。
でも、いちどちゃんとしたドライビング・ポジションがとれる車に乗ると、自然なすわり心地のよさが、どれだけ快適なドライブに大事かが、よくわかるようになる。
これは、ポルシェ全車に共通した美点だろう。
カミサンのBMW330のシートは、ボクスターより少し柔らかく、シート上端、後端、背もたれの角度、前後方向の調節は電動で自由自在、なおかつ4つのメモリーが付いている。
しかし、調節の自由度が高いからといって、あまりいじっていると逆にどのポジションがいいのかわからなくなってしまう。
コロン売り場で何種類もの匂いを嗅いでいると、わからなくなるのと同じような、混迷状態に陥ることになる。
ボクスターのように、ここですよというベストポジションをメーカーで設定し、シートシート上端、後端の角度の関係は動かせない方が、余計な神経を使わなくて済むというものだ。
ただしシート全体を、そのままの角度で上下方向へ動かすという調節は効く。
私はいつも一番低いポジションにしているが、この適度な「包まれ感」のあるシートからの眺めは、まさに、スポーツカー乗りの琴線に響くツボを押さえた設計といえるだろう。
わからない人は気が付かないが、わかっている人には、はっきりわかるという、こうした目に見えないところの味付けが憎い。
で、さすがポルシェだなあ・・となるわけである。
ランバーサポート
以前の911カレラと同じ種類の、見た目は何の変哲もないシートは、ランバーのサポート部分が弱いのが唯一の欠点だったが、新型はよくなっている。
便利なアフターマーケットのパーツとして、以前ミアータのコラムでランバーサポートについて書いたが、あれは911で使っていたときのものを、アメリカへ持ってきたもの。
Zoom
写真はこの空気枕部分を、ミアータのシートから少し引き出したところ
シート調節はすべて手動式
手前にある血圧を測るようなゴムのポンプで、空気枕を膨らませるようにして空気を入れると、シートの腰のあたりがせり出してサポートしてくれる。
空気枕状のものから空気を抜いた状態で、このシートの後ろ、腰のあたりへ入れて、あとはポンプでシュッシュッと膨らませ、ちょうどいいアタリ具合で止めるというわけ。
入れすぎたら、空気抜きのバルブを回して調節。(ドイツ製)
これは911とミアータが同じような形状のシートを使っているため、転用できたのだが、またボクスターへ転用。
勘定してみると、かれこれもう15年くらい使いまわしているなあ。
今度も運転席はもちろんのこと、助手席にもセットしているが、これは便利で役に立つ。
値段も忘れてしまうほど安かった。
1207 Thurs.
ボクスター特集
COOLからボクスターSに関するコラムを独立させてアップすることにしました。
クルマにあまり興味のない人に、頻繁にこのテーマで書くのも何だしナア・・ということが発端なのですが。
クルマ好きの、ボクスターSに関する記録というか、クルマ自慢のコラムになってしまうと思いますが・・
まず手始めに、WEBにはボクスターに関する情報がどれくらいあるのかということで早速検索。
まずは日本語のWEBを探してみると、ポルシェ・ジャパンのオフィシャルページから始まり、カーポイントの新車データベース、ジャパンモーターショーの写真集、またカーグラフィックWEBの紹介記事、WEBCGの鈴木亜久里の試乗記など。
「ざ・総括」のああでもないこうでもないは結構面白い。
個人サイトを探すと、ここにボクスター日記またS2000との対決試乗、
ここにはチョイ乗りの試乗記それに、ここもなかなか気合が入っています。
バービー用のボクスターなんてもあるんですね。(笑)
英語版ではポルシェ・ドット・コム
ざっとこんなところでしょうか。面白いサイトがあればぜひ教えてください。
10月
購入顛末記
カミサンの車を、買ったときに、たまたま
Boxter
が展示してありそれに試乗したのがそもそもの始まり。
2週間、迷いまくった顛末記であります。
ミアータの次というと、本当はロータスエリーゼとかが、よかったのだけれど、クラッシュテストなどをクリアしなければならないため、ここシアトルでは、公道は走れない。
色々なセールスの人に聞いても、ヨーロッパ車はいまだに故障が多いという。
積極的には進められないなあ・・というのが現状のようだ。
そういう意味では、日本の方が選択肢が多いよね。
ということは、2人乗りのオープンカーとしての候補は、HONDAS2000・BMWZ3・ポルシェボクスターということになる。
メルセデスのはスポーツカーというには、ちょっとね。
シアトルでもほとんど見かけない、つまり人気がないのには一理あるのだろう。
HONDAS2000
は、時々見かけるけど、後姿がイマイチそそられない。
インテリアが事務的過ぎるし、エグゾーストサウンドがダサいというのは有名な話だ。
外から聞いていても、やはりなあ・・
おまけに飛ばさないと面白くない作りだというのも定評のあるところらしく、そういうことでパス。
BMWは、ディーラーへで出向いて試乗してみた。
何台かあったので、シルバーのZ3を選択。
新型3リッターのストレート6を搭載している。
しかし、なんだかピンとこない。
確かに新型3リッターのストレート6はトルクはあるけれど、エグゾーストサウンドがなんとなく普通っぽいし、ステアリングだってそれほど、敏感なわけじゃない。
これだったら、ミアータのほうが面白い。
カミサンのと同じエンジンで、色も同じってのもねえ・・となんとなくネガティブな姿勢になったけれど、カミサンがもっと、とんがった車を選んだのなら、これを選んだかもしれない。
車自体はとてもバランスがいいのだけれど、求めていたものとは違っていた。
新型の911もあったので、試乗してみた。
とても洗練されているというか、自分の思っているポルシェの911としてはちょっと洗練され過ぎていた。
87年式を10万キロ以上乗っていたから、どうしても比べてしまうのは仕方のないところか。
330のカブリオレがすでにあるから、4人乗れるという部分は必要ないし、何といっても、ボクスターと比べると、やはり大きく重い。
それに後姿は、ボクスターのほうが好きだし・・
というわけで、ボクスターと決めたのだが、ここからが大変だった。
ミアータが黒だったから、汚れの目立たないシルバーがよかったのだけれど、オーダーすると、少なくとも6ヶ月はかかるという。
正規ディーラーで唯一よかったのが、内外装とも黒のティプトロニック仕様。
これは本国へ帰国するために顧客が手放したため、オドメーターは5000マイル強という、ほとんど新車同様のもので、これはよかった。
普通のボクスターなのだが、ホイールは17インチで乗り心地がいいうえに、このティプトロニックがとてもいい。
シートヒーター付き。
値段は5万6千ドル。2千ドル少ししか引けないという。
一方、BMWを買った正規ディーラーでないショップにあったのは、ボクスターSのスティックシフト。
シルバーがいいと言うと、もう一台、外がシルバーで中が濃いブルーのやつをどこからか持って来てくれたのだが、この濃いブルーが好きではなかった。
泣く泣くあきらめる。
このディーラーで買うと、隣のガソリンスタンドの洗車場で、何と「手洗い洗車」が無期限に無料でついてくるという。
そうすると、俄然「黒でもいい」ということになってきた。(笑)
またシルバーだと、フロントがなんとなくボテっとして見えるのだなあ・・
どちらにしても、Sのスティックシフトとボクスターのオートマチックを比べると、当然だけれど加速が全く違う。
普通のボクスターも 2.7リッターになってからトルクは増えたという。
しかしSの 3.2
リッターの252馬力のエンジンは素晴らしい。
さらに、決定的だったのは、ブレーキだ。
ディスクには穴があいている・・
Sはブレーキキャリパーが赤く塗られる
フロントタイアは 225/40 の18インチ
リアタイアは Bridgestone S-02 265/35 の18インチ
どちらもブレンボ製だが、Sは、何と 911 と同じモノブロックのブレーキパッドがついている。
ディスクも911と同じモノでも、車重はボクスターの方が軽い。
このタッチが、ボクスターとは全く違う。
これはブレーキ以上に効いた。(笑)
911の方がエンジンの馬力はあるが、ボクスターSはボディーが軽い。
それにミッドシップだから、回頭性が高く、スッと向きを変えるのがいい。
加速時のトラクションは、911独特のアレと変わらない。
問題は、スポーツシャーシーでサスペンションが硬めのうえに、ホイールが18インチだから、ボクスターのノーマルシャーシーと17インチに比べ、ハーシュネスが強いのだ。
といってもミアータと比べると、じゅうたんを一枚敷いて走っているようだから問題はないのだけれど・・
正規ディーラにあった、ノーマルシャーシーと17インチの組み合わせの乗り心地は本当によかったから、正直いうとかなり迷った。
オートマチックはラクチンだしなあ・・
うーん、トシのせいだな。(笑)
しかし、このショップは、Sにシートヒーターとキセノンヘッドライトをつけて、5万9千ドルというオファー。
さらにミアータを、ポルシェの正規ディーラーよりいい値段で査定。
通常ボクスターとSは、1万ドルは違うから、この点を考えても、このショップは、かなり頑張った値付けだといえるだろう。
このショップのバックグラウンドは、なんとシボレーのディーラー!
だからアフターサービスは、安心してください。ということ。
さらに、今正規ディーラーへ注文しようにも、何しろ車がないというのだ。
ちなみにポルシェの98年からの1年間の総生産台数は、911が2万3千台強、ボクスターが2万2千台強。
日本市場では、ボクスターSは発売早々に、割り当て台数が売り切れたという。
ベルビューの正規ディーラーのセールスの人の話では、Sは全く在庫がなく入荷は早くて6ヶ月だという。
まあ値段のことはさておいて、シフトによる加速感とブレーキにとどめを刺された。
運転席側のフェンダーの盛り上がりしか見えないし、運転しているとミアータと同じように小さな車のように感じるが、中はゆったりして適度にタイト。
座った感じは包まれ感がとてもあり、なんだかとても安心できる。
ホンダ車の運転席で感じる露出した感覚とは正反対の世界だ。
独特のエンジンのサウンドは、普通の車ではないことを、一時も忘れさせないし、低速でもとても濃密な加速感というか移動感覚がある。
ただし、運転にミアータのような気楽さはない。
ミアータは、結構ズボラに運転しても受け付けてくれる。
しかし、この車はモーターサイクルのように、きちんと走るととても気持ちいいのだけれど、いい加減な運転は受け付けないのだ。
気合が入っているときは緊張感があって素晴らしいのだけれど、疲れたときなどは、チョット重荷かなっ・・ていう気もする。
まあ慣れが解決してくれることを祈るばかりだ。
それにいざとなれば、カミサンの車を使えばいいしね。(笑)
ははは。いまからそういうことを考えるようじゃ、先が思いやられるなあ・・
6速はフリーウェイでも流す時だけ。
制限速度の上限だと、2200回転。
つまり燃費を稼ぐためのモードだ。
通常街中は2速と3速だけで充分というか、ここが一番おいしい回転数になるので、4速までシフトアップすることはほとんどない。
ステアリングは、3本スポークでエアバッグ付としては、マスが小さい方だ。
CDプレーヤー付のオーディオは、音がいいのでびっくりした。
ボリュームをガンガン上げても歪まない。
オープン状態での仕様を想定しているのか?
ダッシュボードの剛性の高さが影響しているという種類の音のよさだ。
インテリアのデザインはとてもモダン。
サイドインパクトエアバッグ付
前のシルバーのレバーは前のトランク用・後ろは後ろのトランク用
オープナーがこの位置というのはとても使いやすい
イグニッションキーの位置はポルシェの伝統で左側にある
メーター周りのデザインは、スペシャルな雰囲気をうまく醸し出している
デジタルで表示される速度と距離は
マイルとキロ表示を切り替えることができる
中央にあるマフラーの出口はツイン
オープンで走ると、さらに軽く感じるのが不思議だ
この車にも欠点が一つだけある。
ワイパーブレードの品質だけは、唯一BMWに負けている。
さらにいえば、ミアータにも及ばない。
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