Boxter - S
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カミサンの車を、買ったときに、たまたま
Boxter
が展示してありそれに試乗したのがそもそもの始まり。
2週間、迷いまくった顛末記であります。
ミアータの次というと、本当はロータスエリーゼとかが、よかったのだけれど、クラッシュテストなどをクリアしなければならないため、ここシアトルでは、公道は走れない。
色々なセールスの人に聞いても、ヨーロッパ車はいまだに故障が多いという。
積極的には進められないなあ・・というのが現状のようだ。
そういう意味では、日本の方が選択肢が多いよね。
ということは、2人乗りのオープンカーとしての候補は、HONDAS2000・BMWZ3・ポルシェボクスターということになる。
メルセデスのはスポーツカーというには、ちょっとね。
シアトルでもほとんど見かけない、つまり人気がないのには一理あるのだろう。
HONDAS2000
は、時々見かけるけど、後姿がイマイチそそられない。
インテリアが事務的過ぎるし、エグゾーストサウンドがダサいというのは有名な話だ。
外から聞いていても、やはりなあ・・
おまけに飛ばさないと面白くない作りだというのも定評のあるところらしく、そういうことでパス。
BMWは、ディーラーへで出向いて試乗してみた。
何台かあったので、シルバーのZ3を選択。
新型3リッターのストレート6を搭載している。
しかし、なんだかピンとこない。
確かに新型3リッターのストレート6はトルクはあるけれど、エグゾーストサウンドがなんとなく普通っぽいし、ステアリングだってそれほど、敏感なわけじゃない。
これだったら、ミアータのほうが面白い。
カミサンのと同じエンジンで、色も同じってのもねえ・・となんとなくネガティブな姿勢になったけれど、カミサンがもっと、とんがった車を選んだのなら、これを選んだかもしれない。
車自体はとてもバランスがいいのだけれど、求めていたものとは違っていた。
新型の911もあったので、試乗してみた。
とても洗練されているというか、自分の思っているポルシェの911としてはちょっと洗練され過ぎていた。
87年式を10万キロ以上乗っていたから、どうしても比べてしまうのは仕方のないところか。
330のカブリオレがすでにあるから、4人乗れるという部分は必要ないし、何といっても、ボクスターと比べると、やはり大きく重い。
それに後姿は、ボクスターのほうが好きだし・・
というわけで、ボクスターと決めたのだが、ここからが大変だった。
ミアータが黒だったから、汚れの目立たないシルバーがよかったのだけれど、オーダーすると、少なくとも6ヶ月はかかるという。
正規ディーラーで唯一よかったのが、内外装とも黒のティプトロニック仕様。
これは本国へ帰国するために顧客が手放したため、オドメーターは5000マイル強という、ほとんど新車同様のもので、これはよかった。
普通のボクスターなのだが、ホイールは17インチで乗り心地がいいうえに、このティプトロニックがとてもいい。
シートヒーター付き。
値段は5万6千ドル。2千ドル少ししか引けないという。
一方、BMWを買った正規ディーラーでないショップにあったのは、ボクスターSのスティックシフト。
シルバーがいいと言うと、もう一台、外がシルバーで中が濃いブルーのやつをどこからか持って来てくれたのだが、この濃いブルーが好きではなかった。
泣く泣くあきらめる。
このディーラーで買うと、隣のガソリンスタンドの洗車場で、何と「手洗い洗車」が無期限に無料でついてくるという。
そうすると、俄然「黒でもいい」ということになってきた。(笑)
またシルバーだと、フロントがなんとなくボテっとして見えるのだなあ・・
どちらにしても、Sのスティックシフトとボクスターのオートマチックを比べると、当然だけれど加速が全く違う。
普通のボクスターも 2.7リッターになってからトルクは増えたという。
しかしSの 3.2
リッターの252馬力のエンジンは素晴らしい。
さらに、決定的だったのは、ブレーキだ。
ディスクには穴があいている・・
Sはブレーキキャリパーが赤く塗られる
フロントタイアは 225/40 の18インチ
リアタイアは Bridgestone S-02 265/35 の18インチ
どちらもブレンボ製だが、Sは、何と 911 と同じモノブロックのブレーキパッドがついている。
ディスクも911と同じモノでも、車重はボクスターの方が軽い。
このタッチが、ボクスターとは全く違う。
これはブレーキ以上に効いた。(笑)
911の方がエンジンの馬力はあるが、ボクスターSはボディーが軽い。
それにミッドシップだから、回頭性が高く、スッと向きを変えるのがいい。
加速時のトラクションは、911独特のアレと変わらない。
問題は、スポーツシャーシーでサスペンションが硬めのうえに、ホイールが18インチだから、ボクスターのノーマルシャーシーと17インチに比べ、ハーシュネスが強いのだ。
といってもミアータと比べると、じゅうたんを一枚敷いて走っているようだから問題はないのだけれど・・
正規ディーラにあった、ノーマルシャーシーと17インチの組み合わせの乗り心地は本当によかったから、正直いうとかなり迷った。
オートマチックはラクチンだしなあ・・
うーん、トシのせいだな。(笑)
しかし、このショップは、Sにシートヒーターとキセノンヘッドライトをつけて、5万9千ドルというオファー。
さらにミアータを、ポルシェの正規ディーラーよりいい値段で査定。
通常ボクスターとSは、1万ドルは違うから、この点を考えても、このショップは、かなり頑張った値付けだといえるだろう。
このショップのバックグラウンドは、なんとシボレーのディーラー!
だからアフターサービスは、安心してください。ということ。
さらに、今正規ディーラーへ注文しようにも、何しろ車がないというのだ。
ちなみにポルシェの98年からの1年間の総生産台数は、911が2万3千台強、ボクスターが2万2千台強。
日本市場では、ボクスターSは発売早々に、割り当て台数が売り切れたという。
ベルビューの正規ディーラーのセールスの人の話では、Sは全く在庫がなく入荷は早くて6ヶ月だという。
まあ値段のことはさておいて、シフトによる加速感とブレーキにとどめを刺された。
運転席側のフェンダーの盛り上がりしか見えないし、運転しているとミアータと同じように小さな車のように感じるが、中はゆったりして適度にタイト。
座った感じは包まれ感がとてもあり、なんだかとても安心できる。
ホンダ車の運転席で感じる露出した感覚とは正反対の世界だ。
独特のエンジンのサウンドは、普通の車ではないことを、一時も忘れさせないし、低速でもとても濃密な加速感というか移動感覚がある。
ただし、運転にミアータのような気楽さはない。
ミアータは、結構ズボラに運転しても受け付けてくれる。
しかし、この車はモーターサイクルのように、きちんと走るととても気持ちいいのだけれど、いい加減な運転は受け付けないのだ。
気合が入っているときは緊張感があって素晴らしいのだけれど、疲れたときなどは、チョット重荷かなっ・・ていう気もする。
まあ慣れが解決してくれることを祈るばかりだ。
それにいざとなれば、カミサンの車を使えばいいしね。(笑)
ははは。いまからそういうことを考えるようじゃ、先が思いやられるなあ・・
6速はフリーウェイでも流す時だけ。
制限速度の上限だと、2200回転。
つまり燃費を稼ぐためのモードだ。
通常街中は2速と3速だけで充分というか、ここが一番おいしい回転数になるので、4速までシフトアップすることはほとんどない。
ステアリングは、3本スポークでエアバッグ付としては、マスが小さい方だ。
CDプレーヤー付のオーディオは、音がいいのでびっくりした。
ボリュームをガンガン上げても歪まない。
オープン状態での仕様を想定しているのか?
ダッシュボードの剛性の高さが影響しているという種類の音のよさだ。
インテリアのデザインはとてもモダン。
サイドインパクトエアバッグ付
前のシルバーのレバーは前のトランク用・後ろは後ろのトランク用
オープナーがこの位置というのはとても使いやすい
イグニッションキーの位置はポルシェの伝統で左側にある
メーター周りのデザインは、スペシャルな雰囲気をうまく醸し出している
デジタルで表示される速度と距離は
マイルとキロ表示を切り替えることができる
中央にあるマフラーの出口はツイン
オープンで走ると、さらに軽く感じるのが不思議だ
この車にも欠点が一つだけある。
ワイパーブレードの品質だけは、唯一BMWに負けている。
さらにいえば、ミアータにも及ばない。
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