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ファンダメンタルズ派とテクニカル派

 



 

永遠のテーマ

ファンダメンタル分析と、テクニカル分析をどう使うか?

永遠に繰り返される議論のテーマだ。

あなたが相手を見つけるときに、ファンダメンタル分析は、いってみれば、人気のある女性を選ぶようなものだ。

誰からも相手にされないのは、何かしら問題があると考えていいだろう。

人気があってモテるのは、トレードで言えば、絶対的な株価や、ボリュームの大きい銘柄に相当する。

まわりからの評判や、上司の意見なども聞いておければ安心だ。

上司がよくなかったり、会社自体が問題あったり、会社の幹部がスキャンダルに巻き込まれたり、タチの悪いオトコが回りにいるなどの外部要因が、この女性の将来にどう影響するのかということは、どちらかというとファンダメンタルで分析するのに相当する。

あとはあなたとの相性、好みがある。これもファンダメンタルな要素だ。

データが良いから、いってみれば、その女性の給与が順調に昇給しているから、好きになるというケースばかりではないだろう。

このように、相手を大まかに選択するときは、ファンダメンタル手法が有効で、また多くの人も納得できることが多い。

相手の、実家の経済状態や手持ち資産の増減傾向などを、考慮に入れることもあるだろううが、土地の価格が下がっているから、実家の不動産が値下がりして、この女性の経済状況にどう影響してゆくのか、などと言い始めれば、キリがなくなる。だから、微細なことまでファンダメンタルで分析するというのは、無理がある。

次に、あなたにとって「上げまん」か「下げまん」かを調べるのは、テクニカル分析に相当する。トレードの場合、将来の株価が上がるのか、下がるのかということになる。

生活がジリ貧かどうか、また昔より現在の方が生活が良くなってきているかどうか、給与の伸びや、貯金額、勤務時間などは、データを使った、テクニカル分析が適している。

こういった数値情報が伸びていれば、大人としてきちんとした生活のできる能力が、着々と実を結んでいるということになるので「上げまん」と判定することができる。(例外もあるが)これがいわゆる過去のチャート分析に相当するといえばいいだろう。

うわさや上司などへの聞き取りにも似た、こういったファンダメンタルズ分析だけで、はたして本当のことがわかるのか。派ぶりがよくっても、借金だらけということも、あるよくある話だ。

 

株価予測を客観的に証明できるのか?

ファンダメンタルズ分析の決定的な弱点は、ニュースから株価の動きを知って利益を出すという方法を、セオリーとして、プロトレーダーを教育するために、マニュアル化できるだろうかという点だ。

株式市場は今までの価値観では、説明のつかない動きをしている。

ファンドマネージャーと呼ばれている、トレードの専門家でさえ、2000年は全くダメだったことを考えて見るべきだろう。

新しい時代にさしかかっているとしたら、はやりその時代に合わせた手法が必要になるはずだ。

今までの価値基準があてはまらない場合は、過去の軌跡から予測・分析することだ。

このテクニカル分析は、投資家の心理による、過熱などで買われ過ぎたりした場合の判断などにはなかなか有効だということは、以前から定説になっている。

チャートは、人間の心理の軌跡だ。

このように、投資家の質や、層が大きく変化しても人間の心理というものは、時代や環境が変わっても、意外と変化しないものだ。

これをまずしっかりと認識することだろう。

まず間違った先入観を捨て去ることだ。

特に、株式市場では、「これで儲かった」といわれると、無条件にその理由を信じる傾向にある。

またたとえそれが、有効であっても、その人だから、できたのかもしれないのだから、あなたが同じようにしても同じような結果にならないかも知れないのだ。

だから、その手法をその人以外が利用しようとすれば、やはりデータによる裏付けが必要になる。

それも、実際に運用し、成功したという確かな裏づけがだ。

それが提示出来ない手法や、あなたが納得できないことは無視しても、何ら問題はない。

むしろそういう余計なことは、知らないほうがはるかにいいのではないだろうか?

アナリストのいうことは、「そういう見方をする人もいる」くらいで聞いておけばちょうどだと思う。

実際に自分のお金でトレードを続けいてることに加え、そのパフォーマンスを何らかの形で、きちんと説明できる人の意見をまず聞くことだ。

 

ニュースとトレード

つい先日、長い間顔を合わせていたトレーダーがシアトルのフロアを去った。

オールテック時代から見かけていた顔だけれど、あまり話をしたことはなかった。

なんとなく風変わりで、アメリカ人にしてはおとなしいというよりも無口だといえばいいだろうか。

フロアのトレーダーともあまり交流はなかったようだ。

マーケットが右上がりで好調だった時代、彼は20万ドルから40万ドルに資金を増やした。

しかし、マーケットの悪かった2000年には大きく負け越し、ついこの間、5千ドル前後の資金となってしまい、ついにリタイア。

以前のトレードフロアからカークランドのトレードフロアに移ってからは、自分専用のTVをトレード用ディスプレイの横においてトレードを続けた。

そう、彼はいわゆるファンダメンタルズ派。

CNBCのニュースを当てにし、ひたすらトレードを続けた。

だからセミナーにも一切参加しなかったし、チャートには興味がないようで、見かねた優秀なトレーダーが何度か忠告したようだけれど、聞かなかったようだ。

マーケットのいい時に資金が増えたから、この方法で勝てると思ったのかもしれない。

彼が、ニュースをもとにしてトレードをしているということは薄々、気がついていたし、常々、どうして勝てるのか不思議で仕方がなかったが、これで納得。>こういう言い方をすると、彼には申し訳ないが。

自分の信じるスタイルを信じ、トレードを続けた結果、なんと40万ドルを失ったのだ。

しかしここまで徹底して、自分のスタイルを貫き通すというのは、半端じゃできないことだけれど、方向を間違ってはいけない。

 

 

 

 

トレードを成功させるためには、根拠のない風説めいた根拠まがいのものを排除する勇気も必要だ。

あなたが自分の目で実際に見たもの、そして体験したことだけを信じることだ。

ネット上に無数に点在する、本物まがいの情報にも注意を払うべきだ。

自分をネット上でアピールしたいためのサイト。

蒙った損失へのストレスから人を中傷することが目的のサイト。

自分の金儲けだけしか考えないサイト。

こうした真意を巧みにカモフラージュしたサイトが、ネット上には数多くあるのが現実だ。

だからこそ、事実だけを見抜く力が必要だ。

そして事実を分析し整理がついたら、推測へ応用して、現場での実戦結果をフィードバックして修正することだ。

マーケットはよりテクニカル分析に適した時代になってきている。

実際のテクニカル分析を利用した私自身や信頼できるトレーダー達の運用結果からも、かなり確信を持って「新しい時代に入った」といえると思う。


ウォーレン・バフェット

CBS Marlet Watch に The Warren Buffet Portfolio 、ウォーレン・バフェット・ポートフォリオという新書についての記事があった。

「投資がこんなに簡単だったらいいのに」という副題で、「ウォーレン・バフェット流投資の秘密」についてとある。

「オレンとこの持ってるブツは、その辺のインデックスのものよりマブイよ」という超優良銘柄保有宣言を本で書いているようだ。

だから、うちに預けてねという宣伝にもなっているようで、24.95ドルのハードカバーの本だそうだ。

読んではいないけれど、要は、分散投資より、厳選した優良銘柄に絞り込んで、長期保有をしなさいということのようだ。

しかし2000年のマーケットを見ると、さすがの彼も全くダメだったようで、何もしないで持っていれば、株は上がるという常識がいつも通用するとは限らないのだ。

いや5年サイクルで見れば必ず上がる、という方は、日本の株式市場のチャートをご覧になることだ。

10年間完全な右下がりだ。

何故みんなは、この危険な長期保有という投資方法に、頼るのだろうか?

それは人任せにできるという簡単な理由からだ。

ほとんどの人は、ラクをして儲けようと考えている。

誰かの推薦通りに買って儲ける。簡単な話だ。

株以外なら、そんなうまい話には乗らない人でも、株の世界だけは別のようだ。

ファンドを買って、あとは持っていれば何もしなくても儲かるかもしれないと考える。

そういう人は銀行へ預けるべきだろう。

獲らぬ狸の皮算用で長期保有をした、1ヶ月後の5万ドルを夢見るよりも、今日の5千ドルの方が、私にとっては大事だ。

1日を積み重ねれば、1ヶ月後には5万ドル以上になるという可能性と夢もあり、何よりもラクして儲けるというニンジンがセットになっているわけだから、長期投資は魅力的に見えるのだろう。

ダイレクトアクセスによるトレードは、自分で選択し、努力し、行動をして、決断をするという、ヒトが最高の満足感を感じる要素を持ち、おまけに現代の持つスピード感がある。

会社の勤務では、10年・15年と勤続していても、上級の役職にでもつかない限り、こういう権限は持てないだろう。

女性の新入社員へ、せいぜい「一緒に昼でもどうだね」と言う程度の、権限しかなかったりもする。

情熱は現実の過酷な風雨で日に日に薄れ、嫌な上司でもいれば、踏んだり蹴ったり。

また、会社が何千億儲けようと、ストックオプション制度のある会社なら、イザ知らず、普通の会社ではボーナスに色がつくくらいのものだろう。

今の日本の状況を見れば、「ばら色の世界は」夢の中だけ。

ストレスで、眠りが浅かったり会社の先行きが不安だと、この夢を見るような熟睡をすることさえできなくなり、夢を見るのはまた夢という悪夢のような現実に苦しむことにもなる。

オンライントレードは、日本の時間帯にあわせた時間帯にアメリカ市場がシフトしたときに、日本でも爆発すると思う。あとは時間の問題だ。

どうせ、株式投資をするのなら、その時までに、確実にS&P500などのインデックスより、高いパフォーマンスを目標にしてウデを磨き、それを、もし達成することができれば、あなたは「スーパーマン」になれるかもしれない。

いやバットマンかな?

ちなみに、マーケットが右肩上がりであっても、アメリカのプロの投資信託マネージャの約20%だけしか、代表的な指標を上回る成績を残すことができないのが現実なのだ。

 

 

 

では実際に、その実例をご紹介。

以下は、2001年6月8日のmarket by Chart から転載したものだ。

以前から、株価を監視することによって、ニュースよりはるかに早く株価の下落を予測できると、繰り返し説明しているが、今日次のようなニュースが発表された。


ニュースはCBSマーケットWATCHから引用

The networking sector was hard hit after Juniper Networks (JNPR: news, msgs, alerts) warned second-quarter earnings-per-share are expected to come in at 8 to 9 cents a share vs. the 24 cents that had been projected by First Call/Thomson Financial. Revenue for the second quarter is predicted to come in at $200 to $210 million, down from the original guidance of $300 to $330 million. Juniper also said it will implement cost-cutting measures, including an 8 to 9 percent headcount reduction. See full story.

Juniper tumbled 18.5 percent while fellow networker Cisco Systems lost 6.1 percent. Among others in the group, 3Com (COMS: news, msgs, alerts) slipped 3.5 percent. The company warned late Thursday that it won't make its revenue numbers for the fourth quarter due to high inventories and restructuring costs. Sales are now expected to be in a range of $450 million to $475 million, short of the company's $575 million revenue target. See full story.


ジャニパーネットワークスは第二四半期の一株あたりの利益予想を当初の24セントから8-9セントとの見積もりを発表(JNPR: news, msgs, alerts)

収入は当初予想の3億3000万ドルから減少し、2億ドル前後と予想されている。

同社は、この予測に対して、8-9%の経費削減を計画しているという。

◎同じくネットワーク機器の大手シスコの株価は6.1%下落したが、ジャニパーネットワークス(JNPR)は18.5%の下げを記録。

下のチャートは上のニュースが発表される前日のもの だ。

昨日のMarket by Chart でもこうしたダウントレンドの銘柄は避けろ(ロングつまり買って保有する場合です)と書いた。

このニュースとチャートを見れば、マーケットメーカーに雇われているアナリストがこうした事実をあらかじめつかんで、ニュースが一般に発表される前に、マーケットメーカーたちにこうした情報を伝え、その結果として同社の株を大量に売っていることがよくわか る。

株価が何よりも如実に証明している。

このように悪いニュースが出る6日前に、すでに株価はギャップダウンを起こしているのだ。

保有すると決めていても、このギャップダウンを起こす前の日、MAを切ったときに、売ってポジションをなくして現金で保有するか、ショート(いわゆるカラ売り)で、次にブルーのバーが出るまでは、ショートポジションでじっと待つというのが、テクニカル面から見た正しいトレード方法なのだ。

 

今日はギャップダウンを起こして、さらに下落した。

いかがだろうか?

ニュースを追うより自分の目でチャートを見て、 判断するほうが、はるかに早く、こうした危険な兆候を見つけることができるということは、プロトレーダーの間では常識なのだ。

ファンダメンタルズだけに頼って株価を追ってはいけない。



ファンダメンタルズな要素をどう扱うか? 

私はファンダメンタルズを無視しているわけではない。

テクニカル分析で銘柄をピックアップしてから、それを確かなものにするためという理由と、そのきっかけのタイミングをつかむためにファンダメンタルズ分析を利用する。

では逆にしたらどうだろうかか。

ファンダメンタルズ分析は、すでに動きがあったから書いているわけだから、その場合、すでにいくらか株価は上がって行ってしまっていることが多い。

うっかり買うと下がって「素人の高値づかみ」になる悲劇の起こることが多いのだ。

どちらにしても、株価が上がった分だけ全部を取ろうとするのは不可能だし、全部取ろうとする人は、珍しい天然記念物として、塩漬けにされたりすることがある。?!

このように、ファンダメンタルズ分析は、どうしても、テクニカル分析より、現代の株価の動きに比べてワンテンポ遅れるという欠点がある。

まあ、買うのが少々高いところでも、チャートを見て納得できるなら、つまり銘柄選択がきちんとできていれば、そう不安がることはないのだが。

2つの一見相反する分析方法は、単独で使うより、組み合わせた方がいいのはもちろんだが、要は使い方。

「バカとハサミは使いよう」って昔のヒトはよく言ったものだが、ファンダメンタルな銘柄選び、いってみればアナリストの推薦なりで買うというのは、種類が多過ぎることで、絞りきれないという欠点がある。

テクニカルだと、まず安全性の高い銘柄を50ほど抽出してその中から、1銘柄なら1銘柄だけ条件抽出することができる。

株価の上昇を予測するための指標を見つけられない、つまり、こうしたら儲かるという分析を含めた自分の方法を、見つけられない時期というのは、株式投資をしている人には必ずあるはずだ。

そうすると、トレードは丁半ばくちっぽくなるならざるをえないわけで、長期間安定した投資ができなくなる。

まず、どうしてロスが出たのか?ロスを出すことになった理由を探すときにも、買って持っているうちは、損をするかどうかはわからないわけだから、売却してロスが確定してからしか、「損を出した理由はわからない」ことになる。

長期保有だと、たとえば、なぜあんな高いところで買ったのかということは、買ってから売るまでの時間がかかっているから、なぜ買ったのかの細かいことは忘れていたりする。だからそういう面での、フィードバックがどうしても曖昧になってしまう。

ダイレクトアクセスによる、イントラデイつまりいわゆるデイ・トレードなら、長くて6時間ほどだから、途中で居眠りでもすれば別だが、そうでなければ、さっき買った動機?は覚えているはずだ。

どこが問題なのかがわかりやすいのだ。

さらに、ファンダメンタルな要素、金利がどうの、利益予想がどうのという、いわば他人の意見に左右され過ぎると、判断をする情報が多すぎて収拾がつなくなる。

これじゃ本末転倒だ。

 

 


 

 

 

マーケットやトレード方法は常に変化し進歩している

アメリカと、日本のマーケットは全く違う。

さらに、日本の個別銘柄に対する徹底的なテクニカル分析や研究の事例は、米国の株式市場に参加しているトレーダーとは比べ物にならないほど少ないはずだ。

また日本では、古い昔のテクニカル分析の手法が、あたかも秘法の本として数十万円もの値段で売られているといった現実を見ると、日本の個人トレーダーは、公正な情報を得ることが非常に難しい状況に置かれていると思う。

アメリカのように、デイ・トレードを体験できるチャンスがないのだから、無理もないことだ。

日本のようなマーケット環境だと、ファンダメンタルな要素に頼る比重がどうしても大きくならざるをえないのだろう。

シミュレーションの圧倒的な豊富さテクニカル分析の手法、移動平均線の読み方など、基本的なことは、現在ではすでに開発され尽くしているといっていいだろう。

だから値上りのわかるような独自の指標や儲かる方法を、独自に考え出そうなどというのは、時間の無駄だ。

無数の先人が様々な方法で、すでに取り組み、今ではその答えは出ているのだ。

複数の既存手法を組み合わせて、それがすでに可能になっているのだ。

知らぬが仏?

テクニカル分析は、その使い方、つまりその組み合わせ方こそが、大きなポイントなのだ。

テクニカル分析はパソコンの進歩とともに、大きな進歩を遂げている。

私が主催しているトレーディングセミナーも回を重ねるごとに、進歩している。

当然のことだ。

毎日マーケットに参加し、新しい情報が次から次へと公開されているアメリカ市場に参入していれば当たり前のことで、クルマだって、2年前のモデルと、最新のモデルは違っているように、トレードの方法だって進化している。

しかし基本となる個々のセオリーの基本は共通している。

しかし、運用の方法やスタイルは、マーケットの変化と共に、変わってきている部分もある。

2001年3月からは、日本の昼間の時間帯に、米国市場での模擬トレード(いわゆるペーパートレード)の体験ができるセミナーを開催できることになった。

これも以前にはできなかったが、技術の進歩というのは素晴らしいことだ。

トレーニングの体験中に、セオリーや指標の組み合わせを、日本にいながらにして徹底して試すことができるのだ。

これこそ進歩というものだ。

さてあなたは、テクニカル派?

それとも、ファンダメンタルズ派?

 

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