Christmas Songs 2002
2002年版クリスマスソング集
歌手・曲名リスト
VOL.2
01
Amy Grant -
Christmas Can't be very Far Away
02 Fourplay - SantaClaus is coming to Town
03 Chicago - The Christmas Song
04 Vanessa Williams - I'll be home for
Christmas
05 Baby Face - Winter Wonderland
06 Kenny G - White Christmas
07 Manhattan Transfer - Santa Claus is coming to Town
08 Madonna - Santa Baby
09 Randy Travis - Jingle Bell Rock
10 Alexander O'neal - My Gift to You
11 Mariah Carey - O Holy Night
12 Gloria Estefan - This Christmas
13 Earl Klugh - We Three Klugh
14 Ricky Peterson - A Child Is Born
15 Celine Dion - Don't Save it all for Christmas day
16 Amy Grant - A Christmas to remember
17 Kenny G - Winter Wonderland
18 Baby Face - I'll be home for Christmas
19 Chris Botti - The Christmas song
20 Kenny G - Let it Snow, Let it Snow
21 Singers Unlimited - Caroring Caroring
各曲の詳細
01 Amy Grant - Christmas
Can't be very Far Away
窓には素敵なものが見えるわ
この汚い街もすぐに新しい雪に覆われるのね
ブーツを履いて外に出ましょうね
だって、クリスマスはそう遠くないはずだから
と始まるこの曲は、歌詞の素晴らしさを堪能することができる。
Amy Grant の新しいアルバムクリスマスアルバム、A
Christmas
to remember
の一曲目。
いわゆる有名な曲ではないけれど、しみじみとしたクリスマスの情景を彼女独特のやさしさでくるんで歌い上げている。
弦のアレンジは、Patrick
Williams。
バッキングの演奏は、比較的シンプルにまとめられ、歌を引き立てるような少し押さえたアレンジがされている。
エイミーはクリスマスアルバムを3枚も出している。
このアルバムには、あまり有名な曲は入っていないけれど、それだけに素晴らしい佳曲ばかりで、そういうテイストを探している方にはぴったりのアルバム
だと思う。
02 Fourplay - SantaClaus is coming to Town
イントロのあと、いきなりフィンガースナップから始まるアレンジが粋。
ラリー・カールトンのギターがシャッフル気味の8ビートというか4ビートともいえますが、そういうノリで始まる。
ドラムの、タムの音がいい。
テーマをブリッジにして、ラリーのギターがメロディーを謳いあげる。
ボブ・ジェームスの生ピアノで入る4ビートのノリが、とてもお洒落。
そしてまたフィンガースナップが、まるでマンハッタントランスファーがよくやるようなノリで入り、そのあとシャッフル気味の4ビートに持っていって、リズムをぐいぐい引っ張
ってゆくさまは圧巻だ。
アレンジャーが、聞き手の心理をよく知っていることがよくわかる。
途中のホーンにはシンセの音も混ぜ、こうした音色のブレンドで微妙な味を出している。
ラリーのソロもさりげなく、でもラリー節は健在、そしてまたボブのソロへ。
展開と各コーラスの長さのバランスががいいため、聞いていて飽きない。
曲がとても短く感じる。
最後のリフがクリスマスらしさを出している。
03 Chicago - The Christmas Song
ホーンセクションの魅力が一杯。
途中のブリッジがシカゴだあーー!
嬉しいなあ。ここまでやってくれると。
それにホーンに隠れたハモンドのB3風のレズリー早回しの合いの手のサウンドも懐かしく、また暖かい。
ドラムのスネアの音がいかにもロックらしくて雰囲気を盛り上げている。
ギターのカッティングも、ちゃんと時代の味を残してくれているし、サビから登場する普通のタンバリンもいい効果を出している。
途中のホーンの展開は、まさに全盛期のシカゴのあのノリが再現されている。
スネアのカーンという響きも、バックとよく合っている。
いやあ、さっぱりした。
04 Vanessa Williams - I'll be home
for Christmas
スローなバラード。
バネッサ・ウイリアムスが丁寧に謳いあげている。
歌がうまいとかそういうことを感じるというのとは別の次元だ。
パっと聞くとごく普通
にしか聞こえない。
けれどよく聞くと声の芯が太いことがわかる。
厚い。
黒人にしか備わらない柔らかな声で、ストレートに奇をてらわずに歌っているが・・彼女の歌を聞いていると、天は時々、ニ物を与えるのだなあと思わず納得。
ああ、人生は時に不公平!
Ed
Calls
のソプラノサックスのソロも素晴らしい。
ケニーGとは全く違ったフレーバーだ。
少し抑揚を押さえ気味のプレイは、彼女の魅力を一層際立たせている。
こういう
プレーヤーもいるという層の厚さが、アメリカの音楽界の魅力だ。
05 Baby Face - Winter Wonderland
WOO!という叫び声から始るが、育ちの良さを感じさせるフレーバーとノリのよさだ。
黒人の持っている生まれながらのテイストのミックスに加え、アレンジも超一流ときている。
ファルセットと生の声の連携がいい。
アメリカの一流の歌手はみんなこれができる。
このクラスのシンガーはそれが普通というレベル。
途中で4ビート寄りのリズムに乗ってピアノソロが入り、歌へと繋がれてゆく。
音がまた素晴らしい。
ベースの二泊三連気味のフレーズも乱入、もちろん16分の速いフレーズもちりばめられている。
いいシステムをお持ちの方は、音の素晴らしさでも圧倒されるはず。
06 Kenny G - White Christmas
この超有名な曲を、ケニーはソプラノサックスの音色の魅力を十二分に生かした、ロングトーン中心のプレイで聞かせてくれる。
こういう曲って、みんなが知っているだけに、料理
が意外と難しい。
さりげなく聞こえるけれど、各フレーズの長さを微妙に変えながら、彼ならではの解釈をしている。
この人のクリスマスアルバムが発表された時の、驚異的な売れ行きは、今や伝説となっているけれど、この曲を聴くとその理由がわかるような気がする。
正統派をも納得させるこれだけの演奏は、ケニー・Gのクセを嫌う人も、この曲のよさとあいまって十分に楽しめると思う。
07 Manhattan Transfer - Santa Claus is
coming to Town
少しアップテンポな4ビートのリズムに乗って軽快に始まるこの曲は、ジャズ・コーラスのトップグループとしてのマンハッタントランスファーの魅力が存分に味わえ
る。
このグループのコンサートへは日本にいるときに何度か行ったけれど、こういうジャズコーラスのスウィング感は独特のものがある。
男性二人・女性二人のコーラスに続き、途中のピアノソロも秀逸。
ソロの終わりからまた、少し後ノリ気味のコーラスへ入るところなどはゾクゾクするような、スウィング感が楽しめる。
ウッドベースの響きに加えラッパ類のリズムもシャープ。
最後の楽しそうな叫び声が、いやがうえにも気分を盛り上げてくれる。
08 Madonna - Santa Baby
サンタさん今夜は早目に煙突から暖炉へ降りて来てね・・ウッフン
私の靴下には小切手も忘れずに入れておいてね・・
ツリーの飾りつけはティファニーで・・
なんてノリのこの曲は、マドンナしか歌えないと思わせるほど個性的。
思わずニヤリと笑ってしまうような、歌詞の連続だ。
4ビートで、ドラムはブラシ。
伴奏はまともなのだが、マドンナの少し音をはずしたようなキュートでセクシーな歌い方と、おかしな歌詞で、あっという間に終わってしまう。
楽しい曲だ。
09 Randy Travis - Jingle Bell Rock
いわゆるオールドスタイルのカントリーロック風でグイグイ聞かせてくれる。
声がとにかく渋い。
こういう雰囲気
は日本人ミュージシャンには絶対に出せないだろう。
残念だが。
バックでかすかに聞こえるバックコーラスも素晴らしい・・ラグタイム風のピアノといい、アメリカ南部
の香りが漂うようなクリスマスソングだ。
最後に曲が終わってから、We
Do One MoreTime Guys ? とランディーが聞くと、すかさず Here we
go, we roll..
と(多分ドラマー)が返事をするという按配だ。
と、すかさず。ドドドドと入ってゆくところなんて、カッコよすぎるぞ。
でこうしたあとでさえ、また転調するんだなあ・・年季の入った意表の突き方には参った。(笑)
10 Alexander O'neal - My Gift to You
ジャンルでいえば、ブラックコンテンポラリとなるのだろうが、ソウルフルなクリスマスソング
だ。
声がいいから、つい聞き惚れてしまうというわけだ。
ドラムには少しエコーをかけ、あまりオンマイクにはせず、いわゆる艶のあるサウンドでまとめている。
日本ではあまりポピュラーな人ではないかもしれないが、これだけ特徴のある声だし、独特の世界を持っているから、時々彼のアルバムを買っている。
サウンドもあまり変わったことをしていないが、そういう意味では安心してアルバムを買い続けることのできる、アーティストの一人だ。
とてもロマンチックで、それでいてブラックな味わいのクリスマスソングに仕上がっている。
11 Mariah Carey - O Holy
Night
マライヤ・キャリーの魅力が、てんこもり?
ゴージャスな香りのする黒人との混血の魅力が伝わって来るようなサウンドが味わえる。
セリーヌ・ディオンはヨーロッパの味わいがよさだと思うが
、マライヤ・キャリーはアメリカの歌手の層の厚さを、まざまざと感じさせてくれる。
途中のハモンドの間奏が、中低域を生かしたトーンで、バックの厚いゴスペル風のコーラスとよく溶け合っている。
この人は
本来ポップというより、かなり黒人に近いゴスペル風のテイストをもっていることがよくわかる。
ファルセットとコーラスのブレンドがサウンドに独特の味を出している。
日本人にはちょっと脂っこいかな?
でもこの曲一曲くらいなら大丈夫なはず。
12 Gloria Estefan - This Christmas
ドラムのスネアが高めのチューニング。
カーンという響きのサウンドなので、一瞬誰かと思うが、これがグロリア・エステファン
なんだな。
この人のクセがまたこの曲とよく合っているのだけれど、でもそうかといって、あまりラテンという感じはしないのがまたいい。
高いところの少し苦しそう
で、それでいて切なそうな響きが素敵だ。
バックコーラスもそつなくきちんと仕事をしている。
エレキギターのソロは、泣き気味のプレイ。
後半から子供たちのコーラスが入ってきて、これがとても効果的。
そしてグロリアのアドリブっぽいフレーズが絡んでゆく。
13 Earl Klugh - We Three Klugh
イントロのピアノはボブ・ジェームス。
弦が絡み幻想的な世界が広がり、やがてアナログっぽいレコードの針の音が効果音として聞こえると、厚いベースの音が重いリズムを刻みはじめ
。
ナマギターでしっとりと楽しませてくれるアール・クルー。
サウンドは、まさに彼ならではの世界。
こうした厚いベースサウンドは少し前の流行だったが、今でもこうして聴
いてみると、暖かくていいなあって思ってしまう。
こうしたしっとりと落ち着いた演奏も、クリスマスに欠かせない。
バックのかすかな鈴の音がなかったら、クリスマスを感じさせない雰囲気の演奏がまたいい。
14 Ricky Peterson - A Child Is Born
スローなコーラスから始まるが、これはすべて、Ricky
Peterson自身の多重録音。
オーケストラアレンジメントから、キーボード類まですべて彼が演奏している。
Drums
は Paul Peterson。
Bass は Billy Peterson
と、どうやら親類縁者で固めているようだが、まあ音楽がよければ、「それがどうした」だ。(笑)
そういえば、昔ジャスのレッスンのとき課題曲でこの曲をやったことを懐かしく思い出した。
確かあのころは、チック・コリアもアルバムで取り上げていたなあ。
途中には素晴らしいピアノソロが散りばめられている。
ハモンドの
何気ないソロの風合いがスパイスとして効いている。
声がなんとなくスティーブ・ミラーに似ている気がする。
彼は以前ベン・シドランのライブのLDで見たことがあるが、あれはなかなかよかった。
最近どうしているのだろうか。
最後はピアノソロと絡みながら、ハモンドの音がフェードアウト。
15 Celine Dion - Don't
Save it all for Christmas day
いい曲だ。鳥肌ものだ。
セリーヌ・ディオンの魅力が存分に味わえる。
スローなテンポに乗りながらだんだんと盛りあがりるアレンジにも、言葉を失う。
ヒトが20年以上も同じことをやり続けることの素晴らしさを彼女は、歌で伝えてくれ
る。
彼女がシャウトするところは、ほんとうにダイナミック感が溢れている。
しかもシャウトした後、ロングトーンで伸ばしながら、こぶしを利かせたフレージングを聞かせるのだ。
あの細いカラダからどうしてあんなにエネルギーがでるのか?と思うパワー感を受けながら、彼女の歌に酔いしれることができる。
16 Amy Grant - A Christmas to
remember
エイミー自作の曲だ。
最初の歌詞を少し転載してみよう。
Twinkling light
A chill is in the air
And carols everywhere
Close your eyes, It's almost there
Candles and cards
And favorite movie scene
The small of evergreen
As special as it's always been
And I have a dream or true
Maybe they will come true
生ギターのバッキングが印象的。
初めて聴く人にも、彼女の歌声は、クリスマスを象徴するような歌詞とともに、沁みわたるように響きわたるはずだ。
17 Kenny G - Winter
Wonderland
最初はドラムがほとんど聞こえない。
でもよく聞くとブラシできちんとリズムを刻んでいる。
耳がケニーの音色へ吸い寄せられているため、聞こえないような気がするのだろうか。
メロディーが終わると彼のアドリブソロが始まる。
ビブラフォンがかすかに響き渡り、ケニーはメロディーを巧みに崩しながら、フレーズが宙を舞う。
最後のロングトーンでは彼の息遣いが聞こえる。
18 Baby Face - I'll be home
for Christmas
ミディアムスローで、ベビーフェイスの歌が始まる。
2コーラス目からコーラスが加わりますが、美しい。
山下達郎がよくやるパターンだな。
タンバリンとスネアのリムショットの音の重ね方とか、メロディーラインとコーラスとのバランスとか生ギターのソロの出し方などを聞くと、この曲をどのように聞かせているのかという仕掛けがだんだんわかって
くる。
パッと聞くと、何の変哲もない曲のように聞こえるが・・。
アレンジを勉強したことがある人なら、この曲は何倍も楽しめるだろう。
19 Chris Botti - The
Christmas song
クリス・ボッティーの、トランペットがクールに響き、やがてストリングスが絡み合う。
アドリブソロは、生ギター。
少しコードを変えたハーモニーをストリングスがつづれ織り、またトランペットのソロへと戻るシンプルな構成だ。
アドリブこそないがメロディーの崩し方で、彼の実力の片鱗がうかがい知れるような演奏だ。
20 Kenny G - Let
it Snow, Let it Snow
ミディアム4ビートに乗って、この簡単だからこそ難しいメロディーをこれだけスウィングさせるのだから、まったく恐れ入る。
バックとのバランスが、どちらかというとケニーに寄りかかりすぎて、バックのアレンジに個性はあまりないけれど、それを補って余りある魅力が、ケニーのフレーズには秘められてい
る。
2コーラス目が終わるといよいよアドリブソロだ。
淡々と吹いているように聞こえるようだが、リズムがモタッって遅らせるところと、食いこむように突っ込んでくるところのメリハリが絶妙。
フレーズもさることながら、リズムの取り方の醍醐味といったらいいだろうか・・
21 Singers Unlimited - Caroring Caroring
アルフレッド・バートとウイリアムス・ハトソンの作品。
アカペラのコーラス。
クリスマスの鐘の音が高らかに鳴り響く情景が伝わってくるような曲だ。
ザ・シンガーズ・アンリミテッドは、伝説のジャズコーラスグループの「ハイ・ローズ」のメンバーを含む男性3人と女性1人で1967年に結成されたグループだ。
Christmas Song VOL.1
Christmas Songs
2001