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2004年 0706 Tues.

サイクロン方式掃除機の最高峰・ダイソン

掃除機を買い換えた。

プラスティックの部品が壊れたのと、吸いが悪いためだ。

それに紙パックを年中補給するのも面倒といえば面倒。

そこでいろいろ検討して買ったのが、英家電メーカーダイソン製の掃除機。

 




 

このメーカーは、ジェームズ・ダイソン氏が設立。

ダイソン氏が1978年ごろに自宅で使っていた掃除機が、紙パックの目詰まりが原因ですぐに吸引力が落ちてしまうことに不満を感じ、新しい掃除機の開発にとりかかったというのがきっかけだという。

約5年の歳月をかけ、5,127 台の試作を経て、完成したのがデュアル・サイクロンシステム。

最近日本でもTVCMを流し始めたが、他の掃除機より圧倒的に優れた集塵力を謳い文句にしている。

デュアル・サイクロンの理屈は単純で、筒の中に 2 つの強力な竜巻(デュアル・サイクロン)を起こすことでゴミを巻き上げ、ゴミを吸引するというのがその原理だ。

言い換えれば強力な竜巻を小さな掃除機で引き起こすという、コロンブスの卵的発想だ。

ダイソン氏はさらに、モーターから排出される有害なカーボンダスト(ダニ・カビの発生、アレルギーの原因などになる)をシャットアウトする機能を同時に実現。

大きなゴミは筒のスケルトン部分に溜め、掃除機内部には、ミクロ単位の微粒子まで捕らえる 2 つの強力なフィルターを装着している。

空気濾過・清浄システムで、「吸気する空気より、掃除機から排出する空気の方がきれいになる」という驚くべき掃除機だ。

ホコリに敏感な人や、ペットの毛や花粉によるアレルギーに悩まされていた人には、素晴らしい機能で、英国のアレルギー協会が高く評価しているのも納得できる話だ。

 

ダイソン氏は当初完成したデュアル・サイクロンを、メーカーに売り込んだのだが、どこもまともに相手にしてくれず、門前払いを喰らったという。

その理由は消耗品であるゴミパックがメーカーにとって重要な収入源だったことと、構造上どうしても高価格になるという点だ。

そこでダイソン氏は1993 年に、ダイソン社を立ち上げ、この掃除機を売り出したところ、記録的大ヒット。

1999年の資料では、本国イギリスでのマーケットシェアは 53% だという。

最近では、このダイソンの真似をしてサイクロン方式がの掃除機が次々と発売されているため、ダイソン社は数多くの訴訟を起こしているという。




パッケージから出すとこういう部品で構成されているが、何だかプラモデルのようだ。

ダイソンDC12 animalpro。

ソファツールと、フトンツールが付いているモデルだ。

このモデルだと、色はこれしか選べない。

 

マニュアルを見なくても組み立てられた。


ホースはこのように伸縮し、長くも短くもセットできるようになっている。


 



 

この掃除機のいい点は、まずゴミパックが不要だという点だ。

掃除機にとってゴミパックはゴミを集めるための部品の一つで、いわば必需品なのだが、構造上細かいゴミやホコリがパックに目詰まりし、使用を重ねるごとに吸引力が落ちてしまう。

ダイソンのデータによれば、目詰まりがひどい場合はその吸引力は約半分になってしまうという。

これは掃除機としては致命的な欠陥だといえるだろう。

 


このようにノズルの部分を本体に差し込むと、下の写真のようにホースを本体へ取り付けることができる。

日本製のものも本体へ取り付けることができるが、掃除機本体を立て位置にしてから取り付けなければならないので、面倒で結局使わなくなる。

ダイソンは、本体を普段使う位置のままで、ホースを取り付けることができるのがいい。



日本の掃除機は小さくて軽いため、ホースを引っ張ると簡単にひっくり返るが、このダイソンは安定性がある形状のため、簡単にはひっくり返らない。




ゴミを捨てるときはこのボタンを押すと、ゴミの収納部が切り離される。

下の写真のように分離される。





ゴミ箱の上でボタンを押すと、下の部分がパカッと開いてゴミが真下へ落ちるようになっているから、ゴミに手を触れることなく捨てることができる。

 


 

実際に使ってみると、謳い文句どおり良く吸ってくれる。

ウチは同じ種類の猫がオスメスで2匹いるのだが、普通の猫より毛が細く長いためか、掃除機のゴミパックは、すぐに目詰まりしてしまうのだ。




ゴミパックだと、あまり膨らんでいないと捨てるのがもったいないと、結局は使い続けることになり、吸わない掃除機にイライラするという「負のサイクル」に陥りやすい。

それにゴミパックって決して安くないし、どんどん換えていると、すぐに切らしてしまう。

そこでゴミパックの不要な、日本製のサイクロン掃除機も使ってみたが、あまり吸わないのだ。

多分ダイソンと同じ方式だと、特許に触れるから、名前は同じでも動作はかなり違ったものになっているのだろうね。

 


スイッチは2段階。強にするとかなりうるさい。

 

遠心力で空気中のゴミを分離する仕組みのためだろうか、動作音は大きい。

いくら静かな掃除機でも、掃除機は吸わなきゃあダメで、少々うるさくても強力にゴミを吸ってくれた方がいいと思う。

 


 


ノズルはこのようにホース部分へ取り付けることができる。


 




 

吸口のノズル部分には車輪が付いているので軽く動くため、掃除中にホースの重さが気になることはない。

 


ボタンを押すと電源コードが収納される。

 

小型化のために、ダイソン社は6年の歳月をかけて「ダイソンデジタルモーター」を新たに開発。

従来の半分近い体積で、これまでの同社のモーターの3倍近い回転速度を実現しているという。

モーターには自己診断機能を備え、掃除機本体に電話の受話器を近づけるだけで、掃除機の故障・修理履歴などがダイソンのコールセンターに送られる機能も持っている。
 

 



 

逆風野郎・ダイソン成功物語
 

「紙パック不要の掃除機」を思いついたダイソンは、資金難や盗作など様々な苦難を乗り越え、12年を費やして製品化を図り、会社設立からわずか4年で欧州を代表するメーカーに育て上げた。

英国では「ダイソンする」ことが、“イノベーション(技術革新)”の代名詞にもなったというが、その苦難と失敗の連続を綴った著書も発売されている。

巨大組織という魔物、あらゆる既成概念にひとりで挑んだ男の壮絶な半生がユーモアたっぷりに描かれている。

 

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